白菊ほたる『災いの子』
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54: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/16(水) 19:33:41.54 ID:sFL9uHdg0
 席を立ち、足を進めながら考える。
 飛鳥さんのアレンジは、即興でできるクオリティじゃなかった。かといって、前々から準備していたとも思えない。社内オーディションの話はみんな昨日知らされたばかりなのだから。
 つまり、話を聞かされてから、一晩で身に着けたということだ。このオーディションのために。それは勝つための努力、勝つための工夫だ。
 蘭子さんも飛鳥さんも、油断や慢心はしていない。それぞれが自分にできる限りのことをして勝ちに行っている。

以下略 AAS



55: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/16(水) 19:34:37.09 ID:sFL9uHdg0
「しかしキミは、なかなか渋い扇子を持ってるね」

 部屋を出たところで、飛鳥さんが言った。

「いえ、これは借り物で……」
以下略 AAS



56: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/16(水) 19:35:24.23 ID:sFL9uHdg0
   *

 社内オーディションの次の日、「合格した」とプロデューサーさんが言った。

「私が……?」
以下略 AAS



57: ◆ikbHUwR.fw[sage]
2018/05/16(水) 19:36:10.07 ID:sFL9uHdg0
(本日はここまでです)


58:名無しNIPPER[sage]
2018/05/16(水) 20:56:51.09 ID:yCguXzRfo
面白い、続き気になる


59:名無しNIPPER[sage]
2018/05/22(火) 01:23:55.83 ID:1RxOEJRC0
おつ 凄い面白い 待ってるよ
しかしPさん少しドライ気味な感じだね


60: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/23(水) 17:36:31.01 ID:XzeV2oVA0
   06.

 社内オーディションの2日後、ライブに向けて何回か予定されている合同レッスンの最初の日を迎えた。夕美さんと志希さんとはオーディション以来、初めて顔を合わせることになる。
 指定された時刻より10分ほど早くレッスン室に入ると、すでに夕美さんがそこにいた。薄緑色の半袖Tシャツを着ていて、下はレッスン用のジャージを穿いている。

以下略 AAS



61: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/23(水) 17:38:34.29 ID:XzeV2oVA0
 レッスン開始まではまだ少し時間がある。私は気になっていたことをふたりに訊いてみることにした。

「あの……どうして、私が選ばれたんですか?」

「どうしてって?」
以下略 AAS



62: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/23(水) 17:41:20.71 ID:XzeV2oVA0
 私は「はあ」と言って、あいまいにうなずいた。

「というわけで、審査の基準となる項目を決めて点数をつけることにしたんだね。これでも完全な私情の排除なんてできないけど、審査結果比べてみたら、プロデューサー勢も含めて、だいたい一致してたよ」

 なるほど、よく考えてるんだなあ、と感心した。
以下略 AAS



63: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/23(水) 17:43:01.19 ID:XzeV2oVA0
「あ、そうそう。それでひとつ確認したいことあったんだー。ほたるちゃん、ちょっとじっとしててね」

 言うが早いか、志希さんは私のレッスン着のファスナーを一気に下まで引き下ろした。

「な、なにをするんですか!?」
以下略 AAS



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