51:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:07:18.76 ID:A6rjc17z0
呼んでみると、彼女の顔が、パァッと明るくなりました。
「は、はいっ」
「ほたるちゃん、で良いですか?」
「はいっ! あ、あの……私も、美優さんって、呼んでいいですか?」
52:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:11:03.59 ID:A6rjc17z0
ほたるちゃんにせがまれて、今度は私の用で、アロマのお店に行きました。
と言っても、実は、そこまで入り用があった訳では無いのですが――。
せっかくですし、何か買おうかしら。
53:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:15:02.50 ID:A6rjc17z0
「それじゃあ、私にも合うかも知れません」
そう言って、ほたるちゃんは、スティック状のアロマグッズを手に取りました。
「私なんて、上手く行かない事ばかりですから」
54:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:17:07.41 ID:A6rjc17z0
「す、すみません……」
「謝ることでは、ないですよ」
笑いかけながら、彼女のアロマを手渡すと、ほたるちゃんはなおも恐縮そうに身を縮めました。
55:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:19:13.08 ID:A6rjc17z0
「とてもお似合いですよ! 新しく売り出したこちらのアウターが、当店では人気なんですっ。
軽くて着心地良い上に風も通さないので、そう季節を選ばずに着れますよ?」
そ、そうかしら――ほたるちゃんにも、お似合いですし――。
56:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:23:41.26 ID:A6rjc17z0
最上階にあるレストランフロアの、カフェに立ち寄ります。
ようやく腰を落ち着けて――ふと窓の外を見ると、まだ雨が降り続いているようです。
57:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:28:36.80 ID:A6rjc17z0
「ほ、本当ですか?」
「えぇ」
彼女にはやはり、アイドルとしての素質があります。
58:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:30:20.23 ID:A6rjc17z0
明らかに、ほたるちゃんが身を強張らせました。
「ご、ごめんなさい。犬、苦手でしたか?」
「毎朝、吠えられていて、ちょっと……あ、でも、頑張りますからそれは…」
「い、いえ! 頑張らなくても……」
59:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:33:43.27 ID:A6rjc17z0
「……無理に励まそうと、しなくて良いんですよ?」
ほたるちゃんは、既に冷めてしまったカップを両手で持ち、視線を落としました。
「無理なんかじゃありません」
60:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:35:41.13 ID:A6rjc17z0
何を言いたいのか、うまく考えがまとまりません。
ですが――“かも知れない”ばかりを挙げていては、キリが無いのも事実だと思うのです。
「かも知れないとしても……」
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