53:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:15:02.50 ID:A6rjc17z0
「それじゃあ、私にも合うかも知れません」
そう言って、ほたるちゃんは、スティック状のアロマグッズを手に取りました。
「私なんて、上手く行かない事ばかりですから」
――おそらく、彼女の癖なのでしょう。
自嘲気味に笑いかけるその様が、すっかり自然な仕草として身についてしまっているようでした。
何も言わずに、私はほたるちゃんの選んだそれと一緒に、レジへ持って行きました。
「お、お金、出しますっ」
遠慮する必要なんて無いのに――彼女のその姿、どこかで見た記憶があります。
会計をして、振り返ったほたるちゃんの顔を見て、気づきました。
たぶん、私です――。
遠慮して、何も欲しがる事をしなかった私に、どこか似ていると思いました。
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