58:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:30:20.23 ID:A6rjc17z0
明らかに、ほたるちゃんが身を強張らせました。
「ご、ごめんなさい。犬、苦手でしたか?」
「毎朝、吠えられていて、ちょっと……あ、でも、頑張りますからそれは…」
「い、いえ! 頑張らなくても……」
「ただ……」
ほたるちゃんが、窓の外に顔を向けました。
「たぶん、晴れる事は無いと思います……私と一緒にいる限り」
その横顔は、寂しそうで、悲しそう――先ほどとは違う、普段彼女が見せる、自嘲気味の笑顔でした。
「私は、雨、好きです」
「えっ?」
驚いた顔を、ほたるちゃんが私に向けました。
失礼かも知れませんが、その意表を突かれた表情は可愛くて、ちょっと面白いですね。
「雨の音は、心が落ち着きますから」
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