29:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:59:29.61 ID:A6rjc17z0
「…………」
帰り道、やはり白菊さんは、自責の念に囚われてしまっているようでした。
30:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:04:10.18 ID:A6rjc17z0
事務所に戻ると、事務員さん一人だけでした。
彼女が受話器を置いた所で、ちょうど私と目が合ったので、クールな笑みを返してくれます。
「どうだった?」
31:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:08:26.70 ID:A6rjc17z0
「そうだね」
事務員さんは、淡泊に答えます。
「……そうですか」
32:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:09:55.96 ID:A6rjc17z0
「……えっ」
自分の席に戻り、事務員さんは続けます。
「専ら、バスと徒歩らしい。
33:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:12:38.92 ID:A6rjc17z0
私には、ちっとも分かりませんでした。
いや――。
34:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:16:27.13 ID:A6rjc17z0
とても失礼な事を、言ってしまいました。
ですが――。
「初めは、冗談だと思いました。会社を潰そうとしている、だなんて……
35:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:20:59.41 ID:A6rjc17z0
「えっ?」
「見たのだろう? 彼の書類を」
軽くため息を吐きながら質した事務員さんに、私は黙って首肯します。
36:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:23:12.16 ID:A6rjc17z0
「私のせいでも、ありますし……こんなものだろうな、って、思えますから」
私だけなら――私の人生なんて、そういうものだから。
37:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:25:23.56 ID:A6rjc17z0
「ご存知ですか?」
「ん?」
「どうして、白菊さんがアイドルを目指すのか」
38:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:27:05.22 ID:A6rjc17z0
「やれやれ……人の事より我が事、だな」
気づくと、事務員さんは私のカップに、コーヒーを注いでくれていました。
「えっ……ありがとう、ございます」
39:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:28:34.53 ID:A6rjc17z0
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