31:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:08:26.70 ID:A6rjc17z0
「そうだね」
事務員さんは、淡泊に答えます。
「……そうですか」
よく分からない気持ちを、胸の奥へ押しやり、自分のデスクに着いてパソコンを開きます。
ふと――気になったので調べると、白菊さんの帰路にある沿線は、信号機トラブルで大幅に遅延しているようです。
――こんな事が、あるのでしょうか。
「心配は要らない」
「えっ?」
後ろから、私のパソコンの画面を覗き込んで、事務員さんがフッと鼻で笑いました。
「その遅延は、あの子の不幸とはおそらく無縁のものだ。
何でも結びつけてしまうのは、あの子が可愛そうだろう」
「そうですね……すみません」
それなら、良かった――。
「何しろあの子は、電車をあまり使わないそうだからね」
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