167:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:27:23.87 ID:LS54PsoZ0
「え、はい……す、すみませんでした……」
大雨の中、呆然と立ち尽くす私を尻目に、車が走り出します。
168:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:30:11.10 ID:LS54PsoZ0
「……分かりました」
やむなく、私はタクシーを降りました。
169:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:33:16.91 ID:LS54PsoZ0
私はバッグを漁り、プロデューサーさん曰く「高ぇタフマン」を取り出しました。
一息にそれを、グッと飲み干します。
170:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:37:20.39 ID:LS54PsoZ0
「はぁ、はぁ……!」
大雨と強風の中、息を切らしながらみっともなく走る私を、通りすがる人々が奇異の目で見ます。
当然、気にしている場合ではありません。
171:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:40:04.62 ID:LS54PsoZ0
とはいえ――。
「はぁ、はぁ……はぁ……!!」
雨が強すぎて、呼吸をするのも大変です。
172:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:43:35.13 ID:LS54PsoZ0
痛みのせいでも、雨のせいでもありません。
何一つ満足にできない自分の情けなさに、涙で視界が滲んできます。
173:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:47:19.32 ID:LS54PsoZ0
時間にして、どれだけ経っていたのかは分かりません。
公園に着くと、既に開催しているはずのそこは、大雨が打ち付ける音しか聞こえませんでした。
174:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:49:40.52 ID:LS54PsoZ0
目的の場所にたどり着くと、テントの中は大勢のスタッフさんとアイドル達でいっぱいでした。
「はぁ、はぁ……」
びしょ濡れでテントに入り込んできた私にも、周りの人達は見向きもしません。
175:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:53:16.41 ID:LS54PsoZ0
「えっ?」
「び、びしょ濡れだから、これタオルです」
振り返ると、私に声を掛けてくれたのは、高校生くらいの女の子でした。
176:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:56:29.16 ID:LS54PsoZ0
「いやーしぶりんの気配り精神がしかと実を結んだねぇ、やるじゃん、ウリウリ」
「放っておかずにちゃんと持ってるなんて、凜ちゃんさすがですっ」
「たまたま目に入っただけで、別に私は……それより」
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