小日向美穂「神様にはセンチメンタルなんて感情はない」
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12:名無しNIPPER[saga]
2018/04/24(火) 22:30:13.10 ID:WQSNhX7B0
「じゃあ、ここは美穂ちゃんの母校なんですか?」

「そういうことになるね。なつかしいなあ」

私の思い出はわりと単純な作りになっていて、辺りに生えている草木や校舎なんかはハリボテみたいにのっぺりしてリアルさを欠いていた。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[saga]
2018/04/24(火) 22:30:47.81 ID:WQSNhX7B0
私たちは秘密基地に隠された脱出のヒントを探すためにガラクタの山をあさってみた。

けれど私がそうやって思い出のかけらをひとつ掬い上げると今度はそれが次のふたつの思い出のかけらを呼び覚まし、結局キリがないのでおもちゃ箱をひっくり返すのはやめにした。

それに、そんなことをしなくても私はすでに分かっていたのだ。
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[saga]
2018/04/24(火) 22:31:17.88 ID:WQSNhX7B0



お姉ちゃんがいなくなったことについて、私が最初に相談しに行ったのは卯月ちゃんの両親でもプロデューサーさんでもなく、橘ありすちゃんだった。

以下略 AAS



15:名無しNIPPER[saga]
2018/04/24(火) 22:32:27.55 ID:WQSNhX7B0
「それは、えーっと……分かりません」

ありすちゃんは申し訳無さそうにうなだれた。

「ありすちゃんもこういう経験をしたことがあるんじゃないの?」
以下略 AAS



16:名無しNIPPER[saga]
2018/04/24(火) 22:33:05.57 ID:WQSNhX7B0
その日の夜、卯月ちゃんは私より先にマンションの部屋に戻っていた。

「おかえり〜、遅かったね」

お姉ちゃんはまるで一日中そこにいたみたいにソファに寝転がって雑誌を読んでいた。
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[saga]
2018/04/24(火) 22:33:44.01 ID:WQSNhX7B0
「帰り道は文香ちゃんに教えてもらったの」

「文香さんが?」

「うん。ありすちゃんに相談したんでしょ? それで文香ちゃんが美穂を探すのを手伝ってくれて」
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[saga]
2018/04/24(火) 22:34:20.79 ID:WQSNhX7B0
メリーゴーランド、観覧車、コーヒーカップ、ぐるぐる回るいろんな遊び。
2人の女の子は遊園地の乗り物をくまなく研究し、回るということについて考えました。

「回る、つまり回転するっていうのはどういうことだと思う?」

以下略 AAS



19:名無しNIPPER[saga]
2018/04/24(火) 22:35:05.53 ID:WQSNhX7B0

「……めでたしめでたし、ってこと?」

「ううん、まだ続きがあるんだ。そのあと2人の女の子は遊園地のなかで人ごみに流されて迷子になっちゃうの」

以下略 AAS



20:名無しNIPPER[saga]
2018/04/24(火) 22:35:48.93 ID:WQSNhX7B0



「卯月ちゃんは飴って好き?」

以下略 AAS



21:名無しNIPPER[saga]
2018/04/24(火) 22:36:28.77 ID:WQSNhX7B0
それからしばらくのあいだ楽屋では2人ぶんのひーひー言い合う声がひびいた。

私はとびきりすっぱいキャンディをなんとか口の中に押し込みながら言い訳をした。

「あのね、ちがうの、ほら私って緊張しいでしょ? だからリハの前にはいつもこれ食べて落ち着かせてるの、ねえ本当だってば」
以下略 AAS



22:名無しNIPPER[saga]
2018/04/24(火) 22:36:56.37 ID:WQSNhX7B0
「今度はもっと普通のお菓子もってくるね」

「あ、私もうちょっとそれ食べてみたいかも」

卯月ちゃんがそう言うので私は鞄に仕舞いかけたキャンディ爆弾の袋をおずおずと差し出した。
以下略 AAS



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