小日向美穂「神様にはセンチメンタルなんて感情はない」
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14:名無しNIPPER[saga]
2018/04/24(火) 22:31:17.88 ID:WQSNhX7B0



お姉ちゃんがいなくなったことについて、私が最初に相談しに行ったのは卯月ちゃんの両親でもプロデューサーさんでもなく、橘ありすちゃんだった。

というのは、ありすちゃんも私と同じような立場の人間だったからだ。

「それっていつの話ですか?」

「今朝だよ。起きたらベッドがからっぽになってたの」

「はあ」

「あ、ベッドがからっぽっていうのはね、私いつもおね……卯月ちゃんと一緒に寝てるから」

「そ、そういう話を聞きたいわけじゃなくてですね!」

ありすちゃんが頬を赤らめてあわてふためいた。
私も自分がヘンなことを言ったのに気付いて「えへへ」って笑ってごまかした。

「電話もメールも通じないんですか?」

「うん。でもプロデューサーさんと連絡は取れるみたい」

それを聞いてありすちゃんは「ああ」と納得したように言った。

「それはきっといなくなったんじゃなくて、見えないだけですよ」

「見えない?」

「はい。美穂さんがあまりにも卯月さんに近づきすぎたので、なんていうんでしょう、こう……2人がぴったり重なっちゃったんです」

そう言ってありすちゃんは自分の両手を握ってみせた。
それは神様にお願いするときの祈りのポーズに似ていた。

「灯台下暗しのようなもので、感覚の焦点をもう少し自分の近くに合わせてみたら卯月さんが見つかるかもしれません」

「なるほど〜」

と感心してみたものの、それって結局どうすればいいんだろう。


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