12: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:39:55.97 ID:X17K8DuQ0
忍は、音楽プレイヤーを持ったまま何かを考えているようだった。
固まったままの姿に僕が怪訝な顔をし始めると、それを見なかったように思いつきの顔を返してきた。
13: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:40:36.97 ID:X17K8DuQ0
細かく刻んだハイハットの音から始まって、明るいピアノが流れ出す。
忍がすっと息を吸う音が、僕の耳に残る。
14: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:41:38.89 ID:X17K8DuQ0
「どう? キーとかアクセントとか、それに最後のサビは自信あるよっ」
15: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:42:31.79 ID:X17K8DuQ0
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16: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:43:39.82 ID:X17K8DuQ0
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17: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:44:36.85 ID:X17K8DuQ0
ちょっと休憩しようと僕の声が喉から出る前に、忍の足が引っかかって姿勢を崩す。
忍がどさっと尻もちをついても、アイドルソングは無情に流れ続けた。
18: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:45:22.08 ID:X17K8DuQ0
「だからちょっと休んで、」
元々はちょっと休憩させようと思っていたことを思い出して。
19: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:46:34.55 ID:X17K8DuQ0
できないって認められるってきっと大切だ。
山の頂上からのキレイな景色を見るためなら、小さなプライドなんてどうってことないと。
自分の力不足に悲しくも、苛立たしくもなるけれど、それでも山の麓で一歩を踏み出してみる。
20: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:47:14.16 ID:X17K8DuQ0
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21: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:48:12.56 ID:X17K8DuQ0
こいつは本当にまったく。
そんな気持ちを表すように、長い、長い溜息をついた。
忍は勢いだけ先走っていくから、ちゃんと考えてるのか不安になる。
22: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:48:59.15 ID:X17K8DuQ0
椅子に腰をかけると、アコースティックギターを抱えて、カポタストを合わせて。
それから六弦の音を半音下げて調律していく。
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