工藤忍「おかしなうさぎは夢見て跳ねる」
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22: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:48:59.15 ID:X17K8DuQ0


 椅子に腰をかけると、アコースティックギターを抱えて、カポタストを合わせて。
 それから六弦の音を半音下げて調律していく。

 ストレッチをしている忍が、おずおずと不安そうに聞いてくる。

「本当に……いいの?」

「そっちこそ、曲の雰囲気全然違うよ? テンポだって合ってるか分かんないよ?」

 忍はぶんぶんと首を縦に振ると、ようやく笑顔を見せる。
 腕をぐいっと上に伸ばしてストレッチを終えると、いつものやる気に溢れた忍が帰ってきた。

「よーしっ、やるぞー!」

「なんでそんな嬉しそうなの」

「えへへ。なんか、仲良くなったからできることって感じする!」

 急に向けられた微笑みに、僕の顔がだんだんと朱に染まり始める。
 こいつは何を言ってるんだろうと思いつつも、頬が緩んでいくのを止められない。
 恥ずかしさを隠すように急かして、間に合わせのセッションを用意をする。

「はいはい、いくよー」

 ギターを抱え直して、ホールに手の位置を揃えたら。
 スネアのようにコツンと響くボディの打音に合わせて、カウントダウンする。

「3、2、1」


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