20: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:47:14.16 ID:X17K8DuQ0
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「んー?」
次の日、音楽室に入ると忍が腰に手をあてて首を傾げていた。
いつもならこの時間にはもう黙々と踊っているはずなのに。
昨日の真剣な彼女から一転、そんな背中はなんだか気が抜けて笑ってしまう。
「どうしたの?」
「あっ、お疲れ様! なんかコンポの調子がおかしくて……」
目の前のピンクの小さなコンポは、ざざっとイヤなノイズを垂れ流していた。
接触でも悪いのかとべたべた触ってみるけれども、改善する様子はなさそうだった。
かなり使い込んでいたからもう寿命なのかもしれない。
そう伝えようと振り返った瞬間、何かを思いついたような忍の顔が視界いっぱいに写る。
あまりの近さに驚きを隠せなくて、それから忍の瞳の奥にキラリと光るものを見たような気がした。
「こういうのはっ、斜め45度から叩けば治るよ!」
「おい、ばかっ」
忍の目を見てしまった数秒が遅かった。勢いよく忍の平手打ちがコンポに炸裂する。
ガシャンと響く機械音の後、断末魔のように甲高い音を出してコンポは黙ってしまった。
軽く振ってみるけれど、もはやうんともすんとも言わない。
「……」
「……どうすんのさ」
「あぁぁ、やっちゃった……」
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