70:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 04:37:33.76 ID:pV04h44/0
阿良々木「忍、これはお前なら何とか出来そうか?」
忍は、にゅっ、と影から姿を現わすと、月火の様子を細かに見ていく。
忍野「これは不味いぞ、お前様よ。いや、状況の悪さと味をかけた訳では無いのだが、皮肉にもどちらも当てはまろう」
71:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 04:38:41.80 ID:pV04h44/0
阿良々木「そんなレベルの怪異が、まだこの街に居たのか!?」
忍野「個人の呪いがここまで厄災クラスのものになろうとは、専門家どもも思わんじゃろうて。この件でか奴らを責めるのは酷というもの」
阿良々木「…どうすれば、月火ちゃんは助かるんだ?前みたいに、僕に移したりとかは…」
72:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 04:39:40.97 ID:pV04h44/0
忍野「言っておくがお前様よ、儂はお前様の為になら如何なる力も貸すつおりではおるが、妹御の為に死のうなどと考えておる様なら、儂は全力で邪魔翌立てをするぞ」
阿良々木「可愛い妹のためだ、命くらい投げ出したって惜しくはないさ」
けれど。
73:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 04:40:31.74 ID:pV04h44/0
結局余り締まらないまま、僕は阿良々木家を後にした。
扉の外で待機していた火憐にだけは「後は兄ちゃんに任せろ、前もそうだっただろ?」とちょっとだけ格好つけて出てきたが。
阿良々木「ここが、その呪いの家…?見た所普通だけどな」
74:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 04:41:34.05 ID:pV04h44/0
阿良々木「大丈夫か!」
返事はしない、が意識はあるようで、ぼんやりとした視線で僕を見ていた。
よく見ると、全身痣だらけだ。明らかに転んでできる様なモノじゃない。
彼は虚ろな視線で僕を捉えたまま、何か口にしようと藻搔いていたが、パクパクと口が動くだけで一向に声にならない。
75:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 04:42:51.92 ID:pV04h44/0
阿良々木「だけど!このままこんな所にいたらいつ呪いに襲われるかっ!」
忍野「じゃから落ち着けと言うておるじゃろ。今通報した所で、駆け付けた人間もこの敷地に入らざるを得んのじゃぞ?そうなれば其奴らも呪いに襲われる羽目になるぞ」
阿良々木「……だからって見殺しには____」
76:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 04:43:52.87 ID:pV04h44/0
忍野「やるなら今が絶好の機会じゃな。最悪妖怪大戦争になっても巻き込まれるのは儂らだけじゃ」
阿良々木「精々そうならないように頑張るよ、まだ死にたくはないし、お前を死なせたくもない」
忍野「かかっ。嬉しい事を言ってくれるわい。心配せんでも、お前様がやられたなら儂が仇を取ってやる。流石に全盛期の儂なら負けることは無かろうて」
77:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 04:45:26.46 ID:pV04h44/0
阿良々木「あれ?何だこれ」
先程まで少年が倒れていた辺りに、焦げた紙切れの様なものが落ちていた。
燃えかすにしては量があるので、ひょっとすると燃やす前はノート1冊分くらいはあったのではと思われる。
78:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 04:46:18.03 ID:pV04h44/0
忍野「取り敢えず、入るしかあるまい。これだけフルオープンにして歓迎モードなのじゃからな」
かかっ。と楽しそうに高笑いして見せるが、彼女の両手にはしっかりと妖刀心渡が握られていた。
いや、僕の分も出せよ。
79:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 04:47:19.13 ID:pV04h44/0
忍野「…むぅ。刀を握ったままではお前様を抱き締められない、刀を握らなければ儂を守れない」
阿良々木「何処までも自分本位なポエムになってる!?久保先生に謝れ!」
阿良々木「大体、怪異の王がお化けにビビるってどうなんだ?」
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