346:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 21:54:28.32 ID:Zo4S+Uss0
夢と書かれた、真新しい表紙。
それを書いたのが春香だと思うだけで、胸が熱くなり、痛くなる。
347:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 21:54:54.77 ID:Zo4S+Uss0
そう思うと、不思議と指が動いた。
一体なぜなのかは、自分でも分からない。
348:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 22:00:33.43 ID:Zo4S+Uss0
宝物の輝きが窓の外へ漏れないように。
誰かから隠すように、こっそりと表紙をめくる。
349:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 22:01:02.89 ID:Zo4S+Uss0
彼女は、自らの運命を知っていた。
叶わぬ夢、いずれ訪れる虚無の恐怖。
350:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 22:01:31.99 ID:Zo4S+Uss0
ページをめくるたびに、彼女の奮闘記が現れる。
どこかの世界であったかもしれない、夢の日々。
351:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 22:02:36.50 ID:Zo4S+Uss0
レッスンに取り組む春香。
営業へ赴く春香。
352:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 22:03:05.20 ID:Zo4S+Uss0
『律子さんが昔貰ったファンレターを見ました』
353:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 22:03:31.10 ID:Zo4S+Uss0
「痛っ……」
ずきん、と、頭の奥が響いた。
354:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 22:04:20.67 ID:Zo4S+Uss0
一行ずつ、声に出して読む。
「美希が遅刻して、みんなで謝りました」
355:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 22:04:56.10 ID:Zo4S+Uss0
「……どうして、私は知っているの?」
これらは彼女の夢。
356:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 22:05:59.49 ID:Zo4S+Uss0
「私の、歌を、みんなが……」
読み上げる声が震える。
640Res/352.74 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20