千早「賽は、投げられた」
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348:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 22:00:33.43 ID:Zo4S+Uss0

宝物の輝きが窓の外へ漏れないように。

誰かから隠すように、こっそりと表紙をめくる。


めくった瞬間目に入ってきたのは、元気良く跳ねるような文字だった。


『今日は、アイドル事務所へ面接に行ってきました!』


春香の日記では、有り得ない言葉。


『トップアイドルになって、みんなに笑顔を届けられる人になります!』


それは、彼女がいつか胸に刻みたかった、強い決意で。


そう。

これは、自分の日々を綴った記録ではない。

彼女が想い描いた、そうありたかった自分。

目指すことさえ許されなかった、彼女の在りたかった姿。


私が開いた日記は、天海春香が描いた夢、そのものだった。


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