132: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/01(日) 02:51:09.70 ID:Q/ZSCgdu0
ざわめき、雪、寒さ、闇。
アナスタシアは何も言わなかった。
133: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/01(日) 02:56:37.61 ID:Q/ZSCgdu0
何万もの目が同時に空を見る。
134: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/01(日) 02:58:26.19 ID:Q/ZSCgdu0
――二曲目は、新曲でいく。
二人は舞台上で二曲歌う。どちらも既存曲の予定だったが、演出の変更に応じてサプライズで新曲を披露することになった。
実際ここらへんの取り次ぎが一番大変だった。
135: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/01(日) 02:59:25.10 ID:Q/ZSCgdu0
激甚なギターサウンドが歓声をも切り裂いた。
『星はここにある』
136: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/01(日) 03:12:27.08 ID:Q/ZSCgdu0
そこからの盛り上がりは、言葉ではとても表せるものではなかった。
宙の雪が融けて雨になるのではと思うほどの熱狂的な歓声。暴力的な音のうねり。
アナスタシアは、魂が抜けたような顔でステージを見ていた。
137: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/01(日) 03:17:32.37 ID:Q/ZSCgdu0
ところで。
『アストロノート・スノウマン』の一番の盛り上がりポイントに歌詞が無いという問題がある。
最後の大サビに向かう、いわばCメロの部分がまるっと空白で(ここらへんアドリブ♡)とだけ書かれていて。
138: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/01(日) 03:28:02.86 ID:Q/ZSCgdu0
【一ノ瀬志希かく語りき・ほしのはなし】
にゃはは。なんて顔してるのかね。
139: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/01(日) 03:31:41.93 ID:Q/ZSCgdu0
不可能性に牙を立てろ。
「異端」も「天才」も後付けのラベルに過ぎない。
嗤われても疎まれても、自らの声に従って進む。自分を突き通す。
140: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/01(日) 03:32:59.04 ID:Q/ZSCgdu0
「うぅっ……良かった……良゙がっだぁ゙……」
「……美嘉、ハンカチ。顔が凄いことになってるわよ」
「ん……ありがと、奏……ふぐむぐ……ぐしゅぐしゅ……ちーん゙っ!」
141: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/01(日) 03:41:11.52 ID:Q/ZSCgdu0
心の問題――とは、まったくよく言ったもので。
凍てついた雲は急速に晴れて、ホンモノの宇宙が顔を覗かせる。
月と星の灯りがまだ残る雪を照らして、辺りは昼みたいに明るくなった。
142: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/01(日) 03:42:58.42 ID:Q/ZSCgdu0
出番とかセトリとか全然関係なかった。
ロンリ的なシコウは幾千光年の彼方にぶっ飛ばして、走性のままに肩を組んで踊った。
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