136: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/01(日) 03:12:27.08 ID:Q/ZSCgdu0
そこからの盛り上がりは、言葉ではとても表せるものではなかった。
宙の雪が融けて雨になるのではと思うほどの熱狂的な歓声。暴力的な音のうねり。
アナスタシアは、魂が抜けたような顔でステージを見ていた。
その瞳の奥底には、まだ見せたことのない新しい光があった。
舞台上で狂乱する志希の、藍晶石色の瞳がちかりと光る。
その焦点は、はっきりこちらに結ばれていた。
手が伸びた。
ステージ上のパフォーマンスのようでいて、それは確かにこちらに差し伸べられている。
「シキ……!!」
「ほら、行っておいで」
背中を軽く押すと、アナスタシアは意外なくらいよろめいた。
俺とステージを何度も見比べる。こっちなんか全然気にしなくていいのに。
「友達が呼んでるんだ。行かない理由がどこにある?」
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