50:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 21:29:04.39 ID:QxgIwWOp0
向かった先は、以前、私が写真をとった場所と同じようなつくりのスタジオでした。プロデューサーさんが元気よく、
「今日はよろしくお願いします」
51:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 22:06:53.61 ID:QxgIwWOp0
「ううう、そんな風に……光を当てられると……私……怖いから……」
輝子さんが目を細め、うめきました。
光が怖いと言っていますが、
52:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 22:10:50.92 ID:QxgIwWOp0
「大丈夫だ。もうすぐだから」
何のことかさっぱりわからず、
私は、仲間を助けたくても助けられないサバンナの小動物のような惨めさを覚えながら、
53:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 22:13:18.37 ID:QxgIwWOp0
私は、なんてこの人は残酷な人なのだと思いながらも、おずおずと輝子さんに視線を戻しました。
すると、細くなっていた輝子さんの目は次第に大きく見開いていき、真っ黒だった瞳は色が抜けていきました。
そして、瞳の色が黒からグレーへと完全に変化したとき、輝子さんは変身しました。
54:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 22:14:58.94 ID:QxgIwWOp0
再開された輝子さんの撮影を眺めながら、プロデューサーさんは輝子さんの説明をしました。
曰く、基本あがり症だけど、極度に緊張するとメタルな輝子さんが出るとのことでした。
プロデューサーさんの説明を聞いて、
55:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 22:16:06.88 ID:QxgIwWOp0
それから私と輝子さんはとても仲良くなりました。
私にとって輝子さんは同志でした。私は輝子さんの視線が全く気になりませんでした。
輝子さんも私に親近感を覚えてくれたのか、
56:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 22:21:24.16 ID:QxgIwWOp0
キノコさんと仲良くなったことにより、
私のアイドル生活は今までと比べ物にならないくらい楽なものになりました。
学校でも事務所でも寮でも、私たちは時間さえあれば二人一緒に過ごしました。
57:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 22:23:24.57 ID:QxgIwWOp0
また、キノコさんのお気に入りの場所である、
プロデューサーさんの机の下というのも、なかなかの盲点でした。
その世界に入ってしまえば、キノコさんとプロデューサーさんの視線以外は届きません。
58:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 22:28:48.32 ID:QxgIwWOp0
プロデューサーさんは私とキノコさんにお揃いの仕事を持ってくるようになりました。
歌番組やグルメレポは私たちにはまだ早いと判断したのか、
ラジオや写真撮影といった比較的優しい仕事がほとんどでした。
59:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 22:33:23.30 ID:QxgIwWOp0
そして、これは想定外というか、想像すらしていなかったのですが、
私の森久保というキャラは、世間に受けました。
私の森久保は、キノコさんのメタルと違い、他人がいるところでは常時発動しているようなものでした。
60:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 22:36:25.47 ID:QxgIwWOp0
冬の始まりのころでした。草木が枯れていた記憶があります。
「ソロライブの時期が決まったぞ!森久保ォ!」
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