114:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 01:27:12.01 ID:GJMDUn0X0
キノコさんは少し考えてから、さも当たり前かのように言いました。
「む、難しいことはわからないけど、私たちは友達だろ。
友達に、どうしてとか、メリットとか必要ないんじゃないかな」
115:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 01:28:57.09 ID:GJMDUn0X0
それから私はレッスン室へと向かい、トレーナーさんに、
「どうしてトレーナーさんは今でも森久保のレッスンを見てくれるのですか。お仕事だからですか」
116:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 01:31:44.32 ID:GJMDUn0X0
友情や応援。
それは私が今まで見てきたものとは全く異なるものでした。
友情に損得はなく、応援は誰かのための行為でした。
117:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 01:32:39.39 ID:GJMDUn0X0
私はひねくれていました。
求めて手に入らなかったら、その時こそ、私は壊れてしまう。
私はその光を追い払おうとしました。
118:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 01:33:56.80 ID:GJMDUn0X0
私は期待しました。人に対する二度目の期待でした。
プロデューサーさん。仮面の見えない人。
プロデューサーさんは私のことをどう思っているのですか。
119:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 01:50:56.39 ID:GJMDUn0X0
次の日、私は、隙こそあればプロデューサーさんに尋ねようの決心で、ピアスをつけ、寮を出ました。
ですが、陽の光を浴び風に吹かれ事務所へと着くころには、
私の決心はどこ吹く風で、「おはよう」とあいさつをするプロデューサーさんに、
120:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 01:52:08.96 ID:GJMDUn0X0
私の頭の中に、今日は都合が悪いです、明日にしましょう、
と聞こえの良い言葉が出回り始めたころ、電話がなりました。
プロデューサーさんの机のようで、プロデューサーさんがそのまま出ました。
121:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 01:53:56.71 ID:GJMDUn0X0
プロデューサーさんは自身の失敗ではなく、私の失敗を謝ってくれている。
そう思い始めると、あのときステージで見た、たくさんのお客さんたちの顔が、
フラッシュバックして、つらくなって、申し訳なくなって、
122:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 01:55:16.08 ID:GJMDUn0X0
やっぱり私はアイドルに向いていない。人とうまく関われない。
そんな私が光を掴もうとしたことは甚だ勘違いも激しく、
おこがましい行為だったのだと、電話のひとことひとこと、
123:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 01:56:27.80 ID:GJMDUn0X0
「やったぞ! 森久保! セカンドライブの場所と日付が決まったぞ!」
プロデューサーさんは笑っていました。
その笑顔は初めて会った時から変わらない、純粋な笑顔でした。
124:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 01:57:57.22 ID:GJMDUn0X0
「どうしてプロデューサーさんは私を見捨てないんですか、
笑わないんですか、叱らないんですか。
私は人の視線が苦手です。人の視線が怖いです。
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