114:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 01:27:12.01 ID:GJMDUn0X0
キノコさんは少し考えてから、さも当たり前かのように言いました。
「む、難しいことはわからないけど、私たちは友達だろ。
友達に、どうしてとか、メリットとか必要ないんじゃないかな」
私は思わずキノコさんから顔を背けました。じわり、と私の心に何かが響いていました。
それはピアスをつけたときの嫌な感触ではなくて、
もっと落ち着ける、私が経験したことのないような感覚でした。
それは照れでした。恥ずかしかったのです。キノコさんの口から「友達」という言葉が出たことが。
それは輝きでした。まぶしかったのです。純粋無垢なキノコさんの瞳が。
それは喜びでした。嬉しかったのです。その言葉が私に向けられたことが。
キノコさんの言葉を借りるなら、それらは「友達」、「友情」でした。
友達とは、友情とは、こんなにも美しく、優しいものだったのだと、
私はそこに初めて、今まで見てきた友情とは異なる、本物の友情を見た気がしました。
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