7:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:19:21.99 ID:3BTb0vF80
想 い人の声がたくさん聞けて、嬉しいやら何やら。
小言モードスイッチが入ったところで
咲はビニール袋をガサゴソ漁ってプリンを取り出した。
8:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:19:49.82 ID:3BTb0vF80
蓋の半開きになったプリンは勢いあまって咲の指を滑り、
あえなくお気に入りのカーペットを汚していた。
その時の無力感たるや。
9:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:20:30.65 ID:3BTb0vF80
***
覗き穴からダークブラウンのコートが見える。
10:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:21:19.55 ID:3BTb0vF80
真新しいフェイスタオルを手渡す。
恭子は玄関から動かなかった。
咲「どうやって来たんですか?終電は終わってるし、近くにパーキングはないでしょう」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:21:51.22 ID:3BTb0vF80
咲にとって、今日は散々な一日だった。
傘は折れて服は濡れるし、財布も携帯もない。
仲の良い友人とはつまらぬ口喧嘩。
12:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:22:44.54 ID:3BTb0vF80
翌朝。
恭子「……咲」
咲「恭子さん、おはようございます。いいタイミングでしたね」
13:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:23:19.75 ID:3BTb0vF80
こうなると気分の沈みは恭子不足によるものだったのではとさえ思えてくる。
お互い大学にバイトに忙しく、およそ2週間ぶりの逢瀬だった。
咲「晴れてよかったですね。今日は2限からですよね?」
14:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:23:52.26 ID:3BTb0vF80
子供のような我儘に絶句しているところに、
後ろから肩に頭を乗せられ、思いきりのし掛かられた。
咲「!? ちょっ、危ないし重いです……!」
15:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:24:35.88 ID:3BTb0vF80
ぼうっとする意識の中。
必死に酸素を取り込もうと喘ぐ咲の顎を、恭子の指がついと持ち上げる。
咲「まって」
16:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:25:15.72 ID:3BTb0vF80
出し巻き卵と鮭の塩焼き、そして白飯と味噌汁。
ごく一般的な日本の朝食を平らげ、食後のデザートに二人でプリンをつつく。
恭子「咲が合鍵を寄越さへんからやろ」
17:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:25:53.81 ID:3BTb0vF80
恭子「もう咲がここに越して結構経つってのに……」
咲「はあ……」
恭子「あんたが寝てる間に、鞄から持ち出してキーコピーをしようかと思うくらいには思い悩んだわ」
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