8:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:19:49.82 ID:3BTb0vF80
蓋の半開きになったプリンは勢いあまって咲の指を滑り、
あえなくお気に入りのカーペットを汚していた。
その時の無力感たるや。
咲「私、何か悪いことしたのかな ……」
あまりにも不運が続きすぎて悲しくなってきた。
恭子『……泣いてるんか』
咲「泣いてません」
きっぱり即答すると、逡巡する気配の後にぎしりと何かが軋むような音がした。
恭子『今から行くわ』
咲「え?」
予想しなかった言葉に目が点になる。
電話の向こうから衣擦れの音が聞こえたところで、咲は慌てて声を上げた。
咲「え、あの……恭子さん?」
恭子『30分かからへん。玄関は私が行くまで施錠しておくんやで』
反論の隙を与える間もなく、通話は一方的に切られた。
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