10:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:21:19.55 ID:3BTb0vF80
真新しいフェイスタオルを手渡す。
恭子は玄関から動かなかった。
咲「どうやって来たんですか?終電は終わってるし、近くにパーキングはないでしょう」
恭子「タクシーに決まってるやろ」
受け取ったコンビニの袋からコーヒーとプリンを取り出して冷蔵庫にしまう。
僅かに触れた恭子の指先は、シャワーを浴びた咲とは反対に冷えていた。
恭子「タクシー、そのまま下に待たせてあるねん」
咲「え」
もう帰っちゃうんですか?
そんな思いが口から出かけて慌てて噤む。
しかし言葉よりも何よりも、その表情がすべてを雄弁に語っていた。
恭子「なんてな。嘘やで」
雨に濡れた手が咲の腕を引く。
咲「……ひどいです」
優しい声に視界が滲んだ。
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