2:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:16:28.38 ID:3BTb0vF80
今日はことごとくツイてなかった。
寝坊をして家を出たところで雨に降られ、
途中購入したビニール傘は強風に煽られて見るも無残な姿となり、
3:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:17:29.33 ID:3BTb0vF80
夜も更けてようやくバイトを終えて帰宅した咲は
一人暮らしのアパートの鍵を開けた。
1Kのさして広くもない部屋に入ると
4:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:17:57.02 ID:3BTb0vF80
つい先日車の免許を取った恭子の最近の息抜きは
練習と銘打って実家の車でドライブをすることだそうで、
「今度咲も乗せてやるわ」なんて言っていたのではなかったか。
5:名無しNIPPER
2018/01/01(月) 21:18:26.52 ID:3BTb0vF80
と、そこで両手に持っていたそれが振動する。
着信だ。相手は恭子。
咲は一も二もなく通話ボタンを押した。
6:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:18:52.11 ID:3BTb0vF80
恭子『それで、夕飯は食べたん?』
咲「いえ、ちょっと食欲がなくて。プリンを買ってきたので今から食べようかと」
さっきまで所持金0円だったので食いっぱぐれました、なんて本当のことを言おうものなら
7:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:19:21.99 ID:3BTb0vF80
想 い人の声がたくさん聞けて、嬉しいやら何やら。
小言モードスイッチが入ったところで
咲はビニール袋をガサゴソ漁ってプリンを取り出した。
8:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:19:49.82 ID:3BTb0vF80
蓋の半開きになったプリンは勢いあまって咲の指を滑り、
あえなくお気に入りのカーペットを汚していた。
その時の無力感たるや。
9:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:20:30.65 ID:3BTb0vF80
***
覗き穴からダークブラウンのコートが見える。
10:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:21:19.55 ID:3BTb0vF80
真新しいフェイスタオルを手渡す。
恭子は玄関から動かなかった。
咲「どうやって来たんですか?終電は終わってるし、近くにパーキングはないでしょう」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:21:51.22 ID:3BTb0vF80
咲にとって、今日は散々な一日だった。
傘は折れて服は濡れるし、財布も携帯もない。
仲の良い友人とはつまらぬ口喧嘩。
12:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/01(月) 21:22:44.54 ID:3BTb0vF80
翌朝。
恭子「……咲」
咲「恭子さん、おはようございます。いいタイミングでしたね」
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