560: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2018/07/29(日) 23:19:46.85 ID:RkgsELyS0
《【Hedwig】より【Fighter】、既に当方の艦娘戦力も80%が市街地への展開を完了した。彼女らが貴隊偵察機へリンクすることは可能か?》
( T)「m(,,#メ゚Д゚)「此方Wild-Cat、【Fighter】提督は脳味噌の不調につき俺が一時返答を代理する!雲龍、視界共有は未だいけるか!?」
「問題ない、妖精さん達もまだまだ余裕があるし、足りなければもう三機ほど上げることも可能」
561: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/07/29(日) 23:28:19.62 ID:RkgsELyS0
防衛線の戦況は完全に逆転した。一方的に、縁日の射的の景品よりも容易く撃ち抜かれ、深海棲艦の屍や残骸が凄まじい勢いで堆く折り重なっていく。
そして───これほどになって尚、戦闘というより只の射撃演習と表現した方が余程近い苦境になって尚、奴らはまだ攻勢の姿勢を崩そうとしない。
『『『ォオオオオオオオアアアアアアッ!!!!!!』』』
562: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2018/08/01(水) 12:15:50.85 ID:nkx3sFGUO
お誂え向きな事に、その重要拠点に最短距離の上陸地点である大洗海岸通りはがら空きだ。この地点を守っているはずの艦娘と自衛隊は、殲滅されたか退却したか姿がない。flagshipとeliteだけで併せて30に迫る戦力を水際で迎撃されることなく送り込める“隙”を、敵の旗艦が見逃す理由はない。
そして何より、この戦況の逆転は私達の本格的な交戦開始を境に発生した。勿論私達が全てお膳立てしたというほど自惚れはしないけれど、贔屓目抜きにして少なくとも親子丼に入れる溶き卵程度の貢献にはなるだろう。
勝負事の“流れ”という、非科学的で人間くさい存在を奴らが信じているかどうかは解らない。ただ、戦闘の潮目を変えた私達を要衝から駆逐し、再び奴らの“流れ”へ持ち込もうとしているのだとしたら───それも十分な理由として上げられるかもしれない。
563: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/08/01(水) 12:20:12.58 ID:nkx3sFGUO
管制機からの号令直後に、南の方から現れた二つの機影。30Mもないような海面スレスレの高度を、私達が乗ってきたのと同じ種類の機体───V-22B【オスプレイ】が駆け抜けていく。
それまで雲龍や私の航空隊を追い回していた敵の対空砲火が慌てて其方に指向するが、防空網は戦線の再編や発生した損害に伴い増援部隊主力の大挙着陸を許したとき以上に穴だらけだ。加えて急激な対象変更となれば当たるわけもなく、二機のオスプレイは悠々と空域に滑り込む。
《01、ポイントに到着!
564: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/08/01(水) 12:27:17.35 ID:nkx3sFGUO
《【Hedwig】より【Blizzard】、戦闘開始直後に自衛隊が湾内で発見した潜水艦棲姫の存在がその後確認できていない、捜索し発見した場合最優先で撃沈しろ。
海上保安庁の巡視船【AKITSUSHIMA】を沈めた奴だ、警戒は怠るな》
《了解!五十鈴さん、対潜警戒を厳に!特に水探の反応に注意を!》
565: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/08/01(水) 12:43:01.20 ID:nkx3sFGUO
「ズッタボロにされてたくせに今更しゃしゃり出てきて人の獲物を取るなんて、マナーが為ってないね」
(,,メ゚Д゚)「……」
ギコさんが、自分の前に出されたゲロをスクランブルエッグだと言い張られているかのような目付きで時雨を見た。「お前その口の悪さでよくも他人のマナーが云々言えたな」的な言葉がのど元まで出かかっていたんだろうけど、辛うじて飲み込んだようだ。
566:名無しNIPPER[sage]
2018/08/01(水) 15:40:52.84 ID:YcxJ8UTD0
更新おつです
蝶野一尉たち戦車隊は助かったのか?
567:名無しNIPPER[sage]
2018/08/03(金) 14:49:36.09 ID:vJGxUYYA0
おつおつ
局面を一蹴するのは流石だけど、震源地はいかほどか…
568:名無しNIPPER[sage]
2018/08/06(月) 19:19:18.62 ID:QruJgrB/0
続きがいま一番気になるわ。待ってる
569: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2018/08/07(火) 22:59:27.34 ID:5Rjb8J6V0
ロシア連邦への内陸浸透こそ防いだものの、ロマさん自らが陣頭指揮に立つなど“海軍”が全力で支援して尚勝利には町一つ丸ごとを犠牲にしなければならなかったムルマンスク。
寄生体、幼体から変異した新型の駆逐艦種、鎮守府所属のロシア軍まで巻き込んだ町を挙げてのクーデター、そしてイスラーム勢力の介入………過去には無かった種類の事象が数多く絡んだことや、ある程度経緯を知っていたであろう同鎮守府の提督が戦死していたこともあって、大本営の方でも未だにその解析は進んでいない。
今回この町がもしムルマンスクと同様の事態に陥りつつあるとするなら、“海軍”の経験さえ役に立たない可能性が高くなる。故に二人は、早い段階から様々なルートを通じて自衛隊には「深海棲艦を刺激するべきではない、増援の到着まで動かない方がいい」という“意見具申”を繰り返していた。
570: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2018/08/07(火) 23:01:15.79 ID:5Rjb8J6V0
当然深海棲艦側も無傷じゃない。私達が到着した段階で沿岸部や湾内に展開していた敵艦隊は、そのほぼ全てが今や海の底に沈むか、地上で穴だらけの骸を晒している。戦闘がほぼ終結し暇を持て余した時雨が提督へのカンチョーを企て、無事見つかり頭を鷲掴みにされていた。
「イダダダダダダダダ、美少女にしていい仕打ちじゃないよこれ!」
( T)「カンチョウは美少女に許されるアクションとでも言うつもりかよまた渋谷がパニックになるぞ」
628Res/562.90 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20