564: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/08/01(水) 12:27:17.35 ID:nkx3sFGUO
《【Hedwig】より【Blizzard】、戦闘開始直後に自衛隊が湾内で発見した潜水艦棲姫の存在がその後確認できていない、捜索し発見した場合最優先で撃沈しろ。
海上保安庁の巡視船【AKITSUSHIMA】を沈めた奴だ、警戒は怠るな》
《了解!五十鈴さん、対潜警戒を厳に!特に水探の反応に注意を!》
《解ったわ!対潜なら五十鈴にお任せよ!》
《【Cubs】、君たちは対潜能力に劣る、潜水艦棲姫がジャックポット狙いで其方へ奇襲をかける可能性g》
無線通信の音声が、分厚い布を暴風の中ではためかせているような音に遮られる。足下に影が射し、頭上をヘリが数機で編隊を組みながら通過する。
海軍のものでもないし、輸送ヘリでもない。アレは確か、陸軍……じゃなくて陸上自衛隊が使う戦闘用の回転翼機。私の記憶が正しければAH-64D【アパッチ】とかいう名前だったと思う。
戦場に現れた四、五個の【アパッチ】編隊は、一気に沿岸部まで押し出すと水際や湾内の敵艦隊に向かってロケット弾や機銃の雨を降らせる。四分五裂状態でまともな迎撃能力がない状況下での空襲は効果的を通り越して完全なオーバーキルであり、屍が増える速度が更に跳ね上がった。
『ォオオッ、オオオオオッ………』
大きさからflagshipクラスと思われるホ級が一体、大洗海岸通りの辺りに上陸しながら忌々しげに空を見上げる。が、たちまちその周囲にアパッチが群がり、四方からのミサイル掃射で瞬く間に沈黙させた。
《自衛隊F.O.Bより当機に入電。“海軍”並びに在日米軍部隊の合流に併せて、後方部隊が再編の上順次前線へと投入されている。
“海軍”各隊は自衛隊戦力並びに現地艦娘部隊と連携し敵艦隊を引き続き掃討、沿岸部の当面の安全、湾内の海上・航空優勢を確固たるものにせよとのことだ》
「………何さ」
管制機からの通信に対し、時雨が艤装を下ろしながらまた卵の如く頬を膨らませる。さっきのは只の茹で卵だったが、今度は大きさ的にダチョウの卵ぐらいにはなりそうだ。
そしてそれは、そのまま彼女の不満の大きさを表すものでもある。
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