356:名無しNIPPER[sage]
2018/03/16(金) 17:21:52.43 ID:JnTJ3CE+0
乙
357: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/03/16(金) 23:01:50.98 ID:Dpgy6EUU0
満天の星空の如く眼下で煌めく無数の砲火。次々と伸びてくるオレンジ色の火線に混じって現れた、黒く小さな点。
妖精さんの並外れた視力が無ければ気づくことさえ不可能なそれらは、見る間に私達の艦載機に肉薄し、すれ違う形で後方へと飛び過ぎていく。
《由良より各艦、敵機種を確認!全て【カブトガニ】!》
358: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2018/03/18(日) 23:02:19.67 ID:dGcshbyk0
ヘルム、カブトガニと一口に言っても、零戦が21型だけではないのと同じで派生型が存在する。99式やドイツの“スツーカ”のように急降下運動を寧ろ得意とする型、防盾性能が高い型、火力や旋回性能に強化が加えられている型など種類は多く、極めて広い用途で使われているのは確かだが全てが全くの同一機種というわけではない。
そして、それらは一見同じ形状に見えてその実エンジン音や挙動、機体の細かい構造などに微かにではあるものの差異が見られる。私達艦娘は、その差異を一目で見分けられるよう幾度となく訓練を重ね各型の特徴も徹底的に頭に叩き込んできた。
視認できたのは一瞬だが間違いない、あれは絶対に“零戦系”だ。
359: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/03/18(日) 23:07:12.46 ID:dGcshbyk0
私達の後方に占位した敵機は、動きが戦略的なだけではなく高い練度を誇っていた。迫る飛翔音は規則正しく、本来不向きな急降下運動であるにも関わらず遅れる機体が現れる様子は見られない。
思わぬ動きに私達の編隊が混乱していたこともあり、距離を見る間に詰められる。
『『『──────!!!』』』
360: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/03/18(日) 23:11:23.26 ID:dGcshbyk0
僅か四機。幾らかの撃墜機を出しているとはいえ、私達は編隊規模において敵を圧倒的に上回る。積極的な撃墜はとある事情からできないが、正面切っての戦闘なら容易に振り払えるだろう。
『『────!!』』
《敵影、尚も追撃》
361: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/03/18(日) 23:21:12.70 ID:dGcshbyk0
「撃墜の必要はない……というよりは、してはダメ。狙う場所に気をつけて」
〈リョーカイ!!〉
〈ワカッテイルデアリマス!!〉
362:名無しNIPPER[sage]
2018/03/19(月) 07:43:52.08 ID:0T0gNrZA0
おつおつ
避難・保護が最優先とは本当に大変だな…
363:名無しNIPPER[sage]
2018/03/19(月) 21:57:40.88 ID:6ib2LpGB0
乙
364: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/03/22(木) 12:22:29.03 ID:gNRjXRdj0
鉛弾に撃ち抜かれ、右尾翼が千切れて後方へと吹き飛んでいく。穴だらけになった左翼も、機内に鈍い音を残してへし折れる。
〈クソッ、シセイセイギョフノウ!!〉
〈ダメダ、オチル!!〉
365: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/03/22(木) 12:27:56.53 ID:gNRjXRdj0
《葛城ちゃん、どーすんの!?》
《ここまで来たら突っ込むのみ!全機、陣形展開継続!》
「敵編隊の迎撃は?」
366: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2018/03/22(木) 12:30:26.57 ID:gNRjXRdj0
生存者の安全性という観点から反撃の手が大きく限られる私達に対し、敵には殆ど“枷”が存在しない。そして深海棲艦共は彼我の物量差に圧倒的な自信があるようで、自軍の損害に関してもまるで頓着しなかった。
《うわぁっ!?》
《Shit!!》
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