道明寺歌鈴「共に歩きたいから」
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1: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:32:51.51 ID:+y8PjNgpo
道明寺歌鈴ちゃんのSSです。

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2: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:35:18.86 ID:+y8PjNgpo


 土曜日には二人で一緒に食事する。
 それは私とプロデューサーさんとの間で習慣になっていたことでした。

以下略 AAS



3: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:36:02.45 ID:+y8PjNgpo

 お店はどこにでもあるようなチェーンのお店だったり、隠れ家的なレストランだったり様々でした。プロデューサーさんからこのお店に行こうと誘われることもあれば、私が気になったお店に行きたいとお願いしたり。
 だけど何処でご飯を食べようと私は正直そんなに気にしていなくて。

 幼い頃からお母さんによく言われてました。ご飯というのは誰と一緒に食べるのかが大事なのだと。実際、その言葉の通りにプロデューサーさんと共に摂る食事はとても楽しく、なにを食べてもとっても美味しかったです。
以下略 AAS



4: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:37:28.77 ID:+y8PjNgpo

 ハレの日のように思えた土曜日はいつしか日常となって、それでも私にとっては相変わらずのハレの日でした。

 だけど、段々とお仕事が増えてきて忙しくなってくるとふっとある考えが過ぎることが増えました。この日常が日常となってしまうのではないか。ケの日のようなハレの日がまさしく、『ハレ』の日になってしまうのではないか。そんな起こってしまって欲しくない考えというのは何故か──

以下略 AAS



5: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:38:38.10 ID:+y8PjNgpo




 今年のクリスマス、12月25日は偶然にも土曜日でした。いつも事務所で行われていたクリスマスパーティーも24日に行われ、クリスマス当日はプロデューサーさんと二人っきりでとわくわくしながら起きたら窓の外は曇り空。せっかくの土曜日なのに微妙な天気だな、なんて思っていたらメールが送られていたことを知らせる明かりに気付きました。
以下略 AAS



6: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:39:22.72 ID:+y8PjNgpo

 それでもちょっとだけ、ほんのちょっとだけですが寂しくて。『分かりました』と、短く返事をしたらそのままベッドにぽすんと倒れ込んでしまいました。枕に顔を埋めて脚をバタバタとさせてなんとか気を紛らわせようと。だけどそんなことじゃ気は紛らわせませんでした。
 ごろんとそのまま転がって壁にかかった時計を見たらそろそろ準備をしないと間に合わなくなる時間になっていました。お仕事に遅れるわけにはいかないので起き上がることにしました。

 歯を磨いても、顔を洗っても、朝ご飯を作っても、なんだかやるせない気持ちになって。心にぽっかりと穴が空いたような気持ちになって。
以下略 AAS



7: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:40:41.07 ID:+y8PjNgpo




「お疲れ様です、プロデューサーさん」
以下略 AAS



8: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:41:30.99 ID:+y8PjNgpo

「あぁ……確か応援に頼まれたんだよね、道明寺さんのプロデューサー。送ってくれって頼まれたし行こうか」

「うーん……いえ、大丈夫ですっ」

以下略 AAS



9: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:42:28.13 ID:+y8PjNgpo

 この後どうしようかな、とぼんやり思いに耽ります。一人でどこかに行く? 流石にそんな気にはなれません。かといってお家で一人過ごすというのも……

 プロデューサーさんのお仕事が終わるまで事務所で待つのも……と考えて行ってみましたが、ちひろさん曰く、『うーん……ちょっと分からないわね。雪も降り出したし、早く帰った方がいいと思うわ』とのことでした。

以下略 AAS



10: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:45:02.44 ID:+y8PjNgpo

 地面へと吸い込まれた白い花びらはすぐにその形を失っていきます。聞いた天気予報では積もると言っていました。こんなに儚く消えてしまうというのに、本当に積もるのでしょうか。そんなことを思うと、この雪が私とプロデューサーさんの関係を示しているかのようだと思ってしまいました。いつかは儚く消えてしまう。アイドルとプロデューサーという関係、今はまだこうして一緒にいられるけれど、いつかは別れて歩むことになってしまうのでしょうか。

「嫌……」

以下略 AAS



11: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:46:20.96 ID:+y8PjNgpo




「あ、ぷろでゅーしゃー……プロデューサーさんっ!」
以下略 AAS



12: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:47:09.53 ID:+y8PjNgpo

 住宅街へと。そろそろプロデューサーさんには気付かれていそうですがまだ何も言ってはきません。やっと収まってきた心臓の高鳴りがまたドキドキと鼓動しだしました。

「つ、着きましたっ!」

以下略 AAS



13: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:47:50.55 ID:+y8PjNgpo





以下略 AAS



14: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:48:50.45 ID:+y8PjNgpo

「すぅ……お待たせしましたっ!」

 ドアを開けて迎え入れます。ドキドキしながら待っているとぽかんとした表情のまま反応がありません。

以下略 AAS



15: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:49:48.80 ID:+y8PjNgpo


 私の用意した食事を美味しそうに食べるプロデューサーさんを見ていたらクリスマスというよりも、普段の土曜日みたいな雰囲気になっていました。
 私の今日の収録のこと。茄子さんがアドバイスしてくれたこと。プロデューサーさんのお仕事のことや、私の学校での成績がどうだったとか他愛もないお話をしていたらあっという間に時間が過ぎていきました。
 もうこんな時間と、時計へと向けた視線が窓の外の景色を視界へと映しました。
以下略 AAS



16: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:50:30.00 ID:+y8PjNgpo


「プロデューサーさーん、バスタオル置いておきますね?」

「おー、ありがとう」
以下略 AAS



17: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:51:12.60 ID:+y8PjNgpo




「ふぁぁ…」
以下略 AAS



18: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:52:20.61 ID:+y8PjNgpo

「お、お邪魔しまつっ…」

 もぞもぞと入り込むとプロデューサーさんの体温に包まれているようでなんだか安心しました。そのままじっとしていると段々と意識が薄れてきました。

以下略 AAS



19: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:53:31.36 ID:+y8PjNgpo
おしまい

ありがとうございました




20:名無しNIPPER[sage]
2017/12/29(金) 02:30:12.08 ID:ggRbWexF0

とても良かったです


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