11: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:46:20.96 ID:+y8PjNgpo
「あ、ぷろでゅーしゃー……プロデューサーさんっ!」
「歌鈴!?」
「えへへ……早かったですねっ」
事務所の前、夜も更けた中待っていたらやっとプロデューサーさんが出てきました。ちょっと待っていたから寒くて噛んじゃいました。
待っている間、寒くないようにとしっかり防寒を重ねていたので大丈夫かと思いましたがやっぱり寒くて。私の手を取ってくれたプロデューサーさんの手がとっても温かいのは待ちわびたからか、それともプロデューサーさんだからか、それは分かりません。
それはともかく!
「さっ、行きましょうっ!」
「いや、行くってどこに……」
「まだお夕飯食べてないんですよね? 私もまだなので、一緒に食べましょうっ」
そう言ってプロデューサーさんの手を引いて歩き出します。ばくばくと高鳴る心臓の音が聞こえたらどうしよう、なんて思ってももう後戻りできなくて。
寒さのせいじゃない、表情の硬さを自覚しながらどうしようもなく。無理やり引っ張ってきちゃったけどプロデューサーさんはどう思ってるでしょうか、って盗み見たらまだ困惑した表情でした。よく考えてみたらこんな風に私からプロデューサーさんを引っ張って行くのなんて初めてかもしれません。手を繋いで、というと聞こえは言いですけど、手を引かれて行くことは今までにも何度かありました。でもそれは今日見たカップルの人たちみたいなのではないもので。
「ふふっ」
つい、今の私たちも傍から見たらカップルみたいに見えるのかな、なんて考えたらつい笑ってしまいました。いきなり笑ってしまって、変に思われないかと恐る恐るプロデューサーさんの顔を見たらなにか思うところあるのか、思索に耽っている表情でした。
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