14: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/12/26(火) 22:48:50.45 ID:+y8PjNgpo
「すぅ……お待たせしましたっ!」
ドアを開けて迎え入れます。ドキドキしながら待っているとぽかんとした表情のまま反応がありません。
「プロデューサーさん……?」
「か、かわいい」
「はわっ!?」
か、かわいいって言いました! えへへ、プロデューサーさんがかわいいって……
……はっ、そうじゃありません! いや、それも嬉しかったんですけど、目的は別です。
にやにやしてしまう頬を抑えながらプロデューサーさんをお部屋の中へと案内します。
「すごいな! これ歌鈴だけでやったのか?」
「えへへ…はいっ!」
「そっか、その…大丈夫だったか?」
「大丈夫…って?」
「いや、飾り付けとかする時に……」
本当に不安そうに聞いてくるプロデューサーさん。流石に私といえどそうそうドジをするわけ……まあ、少しだけ、ほんの少しだけしてしまったんですけど。でも!
「もうっ! 私だってやる時はやるんですから!」
「はは、それもそうだな」
ごめんごめん、と謝るプロデューサーさんに私が被っているものと同じ帽子を渡します。
きょとんとした表情になるプロデューサーさんに、
「その方が雰囲気出ますしお揃いなので」
と、言うと「似合わないと思うけどなぁ」なんて苦笑いしながらも被ってくれました。
二人で座って、用意しておいたグラスに飲み物を注いで。零さないように、と注意しながら注ぎ終え、グラスを持ち上げるとプロデューサーさんと目が合いました。なんだかそれが嬉しくて微笑むとプロデューサーさんも微笑みかえしてくれました。
「何に乾杯しようか」
「うーん……」
「お互いにキリスト教徒じゃないしなぁ」
「じゃあ、私たちの今年一年間に、とか…でしょうか?」
「うん、それがいいな。そうしよう」
乾杯、と軽くグラスを合わせました。ガラスじゃなくて木製なので綺麗な音は鳴りませんでしたが、確かな感覚があったことが嬉しかったです。
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