曜「クリスマスツリーは綺麗ですか?雪は降っていますか?」
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名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:32:37.78 ID:Bd0JRqI80
曜の告白から、数週間が経過した。光の無い体で、曜はそれほど元と変わらない学校生活を送っていた。
「おはよう、曜」
「善子ちゃん、おはよ」
以下略
AAS
15
:
名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:33:10.35 ID:Bd0JRqI80
バスを降り、学校へと続く長い坂を上る。下駄箱で靴を変えさせた後、曜を二年生の教室へと送り届ける。
「あ、善子ちゃんと曜ちゃん」
「あら、ホントね」
以下略
AAS
16
:
名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:34:12.36 ID:Bd0JRqI80
曜は黒板が見えない。そのため教師陣も曜の意向を汲み、板書を全て読み上げながら書くなど出来る限りの協力をしてくれた。
そんな授業の終わりを告げる鐘が鳴ると、今度は部活動が始まる。当然、冬のラブライブを控えたスクールアイドル部は例え件の曜のようなアクシデントがあっても休みなし、詰め込みで練習をしなければならない。
「……曜ちゃん痩せた?」
「…そうかな?」
以下略
AAS
17
:
名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:35:12.17 ID:Bd0JRqI80
「…そういえば千歌ちゃん、歌詞はできた?」
梨子の問いに千歌は苦虫を?み潰した様な顔で振り向く。とどのつまりそれは完成していないことを示していた。
千歌が作詞しないと作曲出来ない事、結果として自分締め切りが短くなるの事をくどくどと梨子は言ってい聞かせる。幾度となく繰り広げられた二人のやりとり、千歌はその明るい性格に反して割と思い悩む性分だった。
「そうそう、曲が出来ないと振り付けも作れないしね」
以下略
AAS
18
:
名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:35:57.07 ID:Bd0JRqI80
「1!2!3!4!1!2!3!4!」
ステップのリズムを取るダイヤの張りのある声が屋上に響き渡る。 Aqoursの練習は変わることなく、厳しい物だった。それでも、ラブライブ突破の為には仕方のないこと、そのことはメンバー誰もが理解してここまで付いてきていた。
突如、編列の後方から悲鳴が聞こえた、曜が転んだのだ。すぐさま近くに居たメンバーが駆け寄る。
「大丈夫!?曜ちゃん!」
以下略
AAS
19
:
名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:36:43.40 ID:Bd0JRqI80
「…本番までには絶対転ばないようにする、だから…」
この場に居る全員への言葉。グループそれぞれのメンバーの事情とラブライブでの評価は別問題で、本番で転んでいては勝ち上がることは難しい。必死の曜に言葉を返したのは千歌だった。
「もちろん!……『やめる』なんて言わないよね…?」
いつしか親友にかけた言葉を返され、曜は声のする方へと柔らかく笑ってみせた。
以下略
AAS
20
:
名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:37:30.58 ID:Bd0JRqI80
陽の光が西へと遠のいて、果ての空を真っ赤に染め上げる。ぽつ、ぽつと立つ民家は等しく影絵のように黒く、沈んで見えた。曜と善子は二人で帰りのバスの最後尾に座っていた。
「今日は疲れたね〜」
少し大きめの声で呼びかける曜。それに対する善子の返事はか細い物だった。
以下略
AAS
21
:
名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:39:00.36 ID:Bd0JRqI80
「……!」
突如目が覚める。急激に意識が戻り、神経が氷水を打ったように冷え切る、額に冷や汗が滲んでいく。眠りこけてしまった。普段ならドジで済むだろう。しかし曜が居る今は事情が違う。
取り急ぎバス前方の電光掲示板を急ぎ確認する、目的地である狩野川沿いのバス停には到着してないようで一先ず安心する。
以下略
AAS
22
:
名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:39:33.53 ID:Bd0JRqI80
「よ、曜…!」
「なに、善子ちゃん?」
「何か、悩んでることとかない…?」
つい声が上ずってしまう。余計なことと分かっているのに、つい善子は聞いてしまった。つい触れてしまったのだ。
以下略
AAS
23
:
名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:40:38.00 ID:Bd0JRqI80
陽の落ち切る手前、といった時分。二人は川岸に連なる階段をベンチに見立てて並んで座った。
善子は近場にある自動販売機でソーダ飲料を二本買い、一本を曜に渡す。受け取った曜は鞄を手探りで探ると財布を取り出し、善子に突きつけた。善子は黙って百円硬貨を一枚、財布から抜き取る。
甘味のわざとらしい炭酸飲料を一口飲み、藍に染まり始めた川の辺にて曜は語り始める。
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