曜「クリスマスツリーは綺麗ですか?雪は降っていますか?」
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4:名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:23:56.56 ID:Bd0JRqI80
授業が終わり、下校時刻となった。その時間になっても部活の無いはずのAqoursの面々は部室に集まっていた。それぞれいつも座っている所定の位置に着き、部室の中心にある机に向かって顔を突き合わせて座っている。



ただ一人、渡辺曜を除いて。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:24:31.31 ID:Bd0JRqI80
「でも安心してちょうだい、幸い数日で退院できる程度の軽症だそうよ」
ほんの少し、表情を緩めて話す鞠莉。緊張が一気に解れたような空気になった。
「良かった…どうしようかと思っちゃったよ…」
安堵と緊張で涙ぐみながら千歌が言葉を漏らす。梨子曰く今日一日連絡が無しに休んでた曜の席を延々ぼんやり眺めていたらしい。
ずっと一緒の幼馴染だ、一倍想いが強いのだろう。
以下略 AAS



6:名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:25:01.40 ID:Bd0JRqI80
「善子ちゃんって意外と先輩思いなんだね」
「ヨハネよ!別に…そう言う訳じゃ…」
「そう?結構食い気味だったじゃない、率先して手を挙げて」

見舞いすることになったのはいつも教室で一緒の二年生、それに毎朝通学を共にしている善子を加えて病院を訪れることとなった
以下略 AAS



7:名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:26:14.20 ID:Bd0JRqI80
病院というのはいつも特有の雰囲気を持っていて、息苦しい。徹底的なまでの清浄であろうとする空気がそうさせているのだろう。

「曜ちゃん、お見舞いに来たよ」

暗く、陽の落ちた部屋。数台しかない小さな病院の窓際のベッドにてアッシュグレーの髪を携えた少女は外を眺めていた。声に反応し振り向く。こちらの姿を認めるとぱっと明るい顔で千歌達を招き入れた。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:26:57.57 ID:Bd0JRqI80
「じゃあね、バイバイ!」
顔を向け、言葉無しに手を振って返す。病院最寄りのバス亭からは善子は一人だった。

一人より、二人で乗ることの方が圧倒的に多いバス。どことなく調子の出ない心持ちのした善子はいつも通り一番奥の席に座り文庫本を広げたが、車酔いが回る気がしてすぐに閉じた。
窓の外を見た。川に映る夜空では星を厚い雲が覆い隠していた。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:28:17.70 ID:Bd0JRqI80
「…………」
「あれは相当イライラしてるずら、イライラデーモンずら」
「そうなの…?」
「…聞こえてるわよ」
「「ひいっ!」」
以下略 AAS



10:名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:29:01.99 ID:Bd0JRqI80
テストが終わって数分後には、一年生と鞠莉を除く三年生計五人が部室の席に座っていた。前回の呼び出しの内容故に、妙な緊張が全員を襲う。神妙な雰囲気で顔を突き合わす最中、表へと繋がる扉を開け鞠莉が顔を覗かせた、その後ろに続いていたのは千歌と梨子だった。

そしてそのさらにまた後ろ、千歌と梨子の腕にべったりと、まるで依存するかのようにくっついているのは…曜だった


以下略 AAS



11:名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:30:01.61 ID:Bd0JRqI80
目を見開き驚愕する面々。そんな皆を意に介さなおように、淡々と曜は言葉を続ける

三人がお見舞いに来てくれた頃は本当になんともなかった。二日ほど経って急に吐き気がするようになったという。気分が悪くなり、視界がぼやけるようになった。車のバンパーに頭を打った時、目の部分に受けた強い衝撃が原因らしい。そうこうする内に、曜の目の光はまるみる失われていったと言う。


以下略 AAS



12:名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:31:17.71 ID:Bd0JRqI80
長い沈黙の中、言葉を続けたのは他でもない曜だった。


「……私はスクールアイドルを、続けたいと思う」

以下略 AAS



13:名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:31:57.35 ID:Bd0JRqI80
「それと、善子ちゃん」
曜の呼びかけに善子は顔をあげる

「暫くはお母さんが車で学校へ送ってくれるけど…仕事の関係でずっとって訳にはいかないから…その…」
「登下校を手伝って欲しい…って?」
以下略 AAS



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