曜「クリスマスツリーは綺麗ですか?雪は降っていますか?」
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名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:26:14.20 ID:Bd0JRqI80
病院というのはいつも特有の雰囲気を持っていて、息苦しい。徹底的なまでの清浄であろうとする空気がそうさせているのだろう。
「曜ちゃん、お見舞いに来たよ」
暗く、陽の落ちた部屋。数台しかない小さな病院の窓際のベッドにてアッシュグレーの髪を携えた少女は外を眺めていた。声に反応し振り向く。こちらの姿を認めるとぱっと明るい顔で千歌達を招き入れた。
「千歌ちゃん、梨子ちゃん、善子ちゃん!来てくれたんだ!」
三人が訪れると、曜は喜々として様々なことを話し始めた。
曜曰く、信号が青になり横断歩道を渡ったところ一台の軽自動車が確認もなしに真っ直ぐに突っ込んできて自分と正面衝突したと言う。振り向いた時には車は目の前、顔を思い切りボンネットに打ち付け道路脇に弾き飛ばされた…聞けば聞くほど痛々しい話が続くが、怪我自体は脚の軽い骨折と打撲だけで済んでいるというのだ。
「それは…ラッキーだったわね…」
梨子が目を丸くしながら言った。ともすれば大惨事、命を落としてもおかしくない出来事に相対して渡辺曜は幸運だった。
「それにしても…凄かったわよ、千歌なんて事故って聞いた瞬間顔真っ青で…」
「わー!恥ずかしいから言わないで!」
行きの仕返しとばかりに密告する善子を千歌が口を覆って止める、本人の前で強く思ってると暴露されるなど小恥ずかしいことこの上ない。
しばしの間明るい雰囲気で談笑し、曜の夕食が運ばれてくるのを合図にその日三人はそれぞれの家に帰ることにした。
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