曜「クリスマスツリーは綺麗ですか?雪は降っていますか?」
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21:名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:39:00.36 ID:Bd0JRqI80
「……!」

突如目が覚める。急激に意識が戻り、神経が氷水を打ったように冷え切る、額に冷や汗が滲んでいく。眠りこけてしまった。普段ならドジで済むだろう。しかし曜が居る今は事情が違う。
取り急ぎバス前方の電光掲示板を急ぎ確認する、目的地である狩野川沿いのバス停には到着してないようで一先ず安心する。

「曜、ごめん私寝…てた………」
起き抜けで張りの無い声量で善子は曜に話しかける。

善子が見たのは真っ直ぐ前を見据えた曜だった。見開いた眼球で、何も見えないはずの瞳で虚空を見据える姿。どこか憂いを帯びた、思い悩んだような姿。
ひどく痛ましくて、物悲しく感じた。善子は一瞬、声をかけるのを躊躇ってしまう。

「……善子ちゃん?」
善子が立てた物音で曜はその目覚めに気付いた。

あまりにも生を感じなかった。あまりにも命を感じなかった。ぼんやりと生気の抜けた姿に善子はどこか、空恐ろしい物を感じてしまっていた。


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