曜「クリスマスツリーは綺麗ですか?雪は降っていますか?」
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名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:32:37.78 ID:Bd0JRqI80
曜の告白から、数週間が経過した。光の無い体で、曜はそれほど元と変わらない学校生活を送っていた。
「おはよう、曜」
「善子ちゃん、おはよ」
冷え切った十二月の空。枯れ切った街路樹の隙間に寒風が鋭く吹きぬける。
善子と曜の朝の待ち合わせ場所は曜の家の前になった。失明して日が浅い曜が一人で出歩くのは依然として危険だからだ。
「……手」
「…うん」
歩行の補助する為、手を繋ぎ腕を組んで二人はバス停まで歩く。人の目となるためには、その人の体を支えなくてはならない。周囲の人目を集めるので善子は少し、気恥ずかしかった。
「……」
「……」
いまだに腕を抱え込まれるのは慣れてなくて、照れる気持ちを抑えられない。顔を見られたら、きっと真っ赤な事をからかわれていたかもしれない。そんな想像が善子の頭の中に登っては、煙のように立ち消えていた。
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