モバP「藤原肇とおちょこがふたつ」
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6:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:32:15.45 ID:n8reEq6Z0

うちの事務所のアイドルに限ってはそんなことはなかったが、
ほかの事務所となるとてんでだめで、肇自身がおとなしい性格であることもあいまって、
あれよあれよという間に彼女らのターゲットにされてしまった。

以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:34:51.04 ID:n8reEq6Z0

あれから何年もたった。結局俺は同じ事務所にいる。
ただもうプロデューサーはやめて、内勤に異動した。
新たにアイドルを受け持つ気力がなくなったためだ。

以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:35:22.11 ID:n8reEq6Z0

6レス。起。



9:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:36:49.83 ID:n8reEq6Z0

そんな日々でも俺には満足だったのかもしれない。
たらればを繰り返して、ありもしないifを追っていればよかったのだから。
非生産的で後ろ向きな、無味乾燥な平和を生きていればそれでよかった。

以下略 AAS



10:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:38:58.87 ID:n8reEq6Z0

先ほどとはうってかわって俺の動作は緩慢になった。諦観は人をスローモーションにする。
追いつかないと知ったとき、人は走るのを止めてとぼとぼと歩き始めるのである。

ぽたぽたと垂れていく酒を無視して、俺は次郎坊を拾い上げた。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:39:58.98 ID:n8reEq6Z0

「太郎坊」、幸田露伴の短編にそういうものがある。
タイトルに惹かれて読んだのはこれもまた最近のことである。
境遇が似ているのでぐいぐい引き込まれて最後まで読んだ。結末も当然存じ上げている。

以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:40:39.47 ID:n8reEq6Z0

―――
――



13:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:42:58.80 ID:n8reEq6Z0


国立新美術館。

「新進気鋭のアーティストたちが送る驚異の技巧工芸展」。
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:45:27.51 ID:n8reEq6Z0

彼女はどれだけ成長したことだろう。俺のいない間に何を知り何を学んできたのだろう。
彼女は何を生み出してきたのだろう。彼女の作品は何を訴えかけてくるのだろう。

女性の思い出は上書き可能らしい。であるならば俺のことなどとうに忘れているのだろうか。
以下略 AAS



15:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:47:34.51 ID:n8reEq6Z0


「――。」

驚愕。
以下略 AAS



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