2: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/11/18(土) 06:03:25.78 ID:pc666ZQu0
(´Д`)〜゚「くはぁ〜………」
こうして僕────日本海上自衛隊付・青ヶ島鎮守府所属、八頭進(はっとう・すすむ)一等海佐相当官の一日は幕を開ける。
3: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/11/18(土) 06:07:57.92 ID:pc666ZQu0
青ヶ島。
日本国本州から300km以上離れた南の海に浮かぶ東京都管轄下の島嶼の一つで、「人が住む島」としては日本領の最南端に位置する。島自体の面積が小さい上本州からあまりにも離れすぎているため、人口は僅か160人と少ない。
一応郷土料理・特産品と呼べる物もあるにはあるし宿屋も営業しているのだが、飛行機や船の定期便が極端に少なく交通の便も非常に悪い。近年では訪れる観光客も他の著名な伊豆諸島構成島と比較してかなり少なく、当然知名度も圧倒的に低かった。
4: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/11/18(土) 06:12:32.82 ID:pc666ZQu0
軽空母艦娘の龍驤さん。我が青ヶ島艦隊の最高練度を誇る総旗艦にして、頼れる筆頭秘書艦。背中辺りまでの長さになる髪を両側で纏めているのが世間一般で知られる彼女の髪型だが、今の龍驤さんは後ろで一つに結わえ馬のしっぽみたいに垂らした状態……所謂ポニーテール。
そんな彼女が、勝ち気な栗色の瞳を訝しげに細めて腰に手を当てながら僕を睨み付けている。
「君な、何でも無いなら何でも無いで問題やで?最前線の指揮官たる者が、理由もなくあんな弛緩した表情見せとったら皆余計に不安がるし不気味がるわ」
5: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/11/18(土) 06:14:26.88 ID:pc666ZQu0
(*´Д`)「………」
「あっ!?君、また腑抜け顔しとるで!?」
(;´Д`)そ「ふ、腑抜け………」
6: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/11/18(土) 06:18:17.46 ID:pc666ZQu0
<マルゴーマルマル。提督がお休みのうちに、書類は、私が全て処理しておかないと…>
7: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/11/18(土) 06:21:25.04 ID:pc666ZQu0
司令室の前まで到着すると、いつもの守衛コンビ二人が僕らを海自式敬礼で出迎えてくれた。
| ^o^ |「ていとく かっか、ひしょかん どの」
| ^o^ |「おはよう ございます」
8: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/11/18(土) 06:24:57.52 ID:pc666ZQu0
「────第6巡回艦隊より定時連絡。周辺海域に異常なし、引き続き警戒を続けるとのこと」
9: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/11/18(土) 06:28:43.07 ID:pc666ZQu0
極度の疲労を滲ませつつも健気に微笑む妙高さんが眩しすぎて目を細めそうになる。何この聖人、軍艦の代わりにイエス=キリストの魂でも宿したの?
「妙高は真面目すぎやな」
湧き出る感涙を堪えるのに必死な僕の横で、龍驤さんは困ったもんだとでも言いたげに肩を竦める。
10: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/11/18(土) 06:34:57.52 ID:pc666ZQu0
<マルキューマルマル! おはよう、なのね!>
.
11: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/11/18(土) 06:39:09.04 ID:pc666ZQu0
○九○○。
12: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/11/18(土) 06:44:44.27 ID:pc666ZQu0
彡;(-)(-)
《南首相は本日の議会で新たな艦娘・鎮守府関連法案の制定を目指す予定ですが、共栄党、民心党の反対は少なくとも確実と見られ実現は厳しいと思われます。国会前では今日も複数の反戦団体によるデモが行われ、平和と人道を叫ぶシュプレヒコールが────》
早い、美味い、美しいの三拍子を揃えた給食を取るべく艦娘や自衛隊士官の皆さんでごった返す食堂での席取りは大苦戦が予想されたが、運良く近くで自分たちの分を食べ終えたグループがあったおかげで幸いにも三人横並びになりカウンター席に座ることが出来た。
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