4: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 07:07:12.79 ID:CvWj6cmz0
時は進んで今朝の午前9時。ふと目を覚ました私は、沈黙を続ける目覚まし時計の示す時刻を見て唖然とした。
その後の私の行動は手に取るように分かるだろう。忙しい日が続いた後の休日の寝起きにありがちな「何で目覚まし鳴らないのっ!?遅刻しちゃう!!」現象である。今思い返すと何だか悔しい。
5: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 07:18:57.36 ID:CvWj6cmz0
夕美 「――あっ、このつぼみ、だいぶ膨らんできたなぁ...。そろそろ綺麗なお花が咲くかも。こっちのお花は...うん、元気そうっ♪よしよし♪」
P 「キレイなお花ですね。このお花、あなたが?」
6: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 07:20:47.48 ID:CvWj6cmz0
夕美 「――なんだか、たくさんお話しちゃって、すみませんっ。普段ひとりで育てているから、お花についてお話できるのがうれしくって!」
P「いえいえ、こちらこそ楽しかったですよ。本当にお花がお好きなんですね。」
7: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 07:23:30.53 ID:CvWj6cmz0
しばらくの間そのまま物思いにふけっていたが、ベッド脇の目覚まし時計の分針がもう半回転したあたりで、段々と外の空気が恋しくなってきた。
私はようやく布団から抜け出して、ベランダへ出ることにした。
8: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 07:26:31.62 ID:CvWj6cmz0
集中していると時間は早く過ぎるもので、一通り作業が終わって時計を見ると午後0時を示していた。
特にこれ以上やることが思いつかない私は、街中の時間がゆっくり進んでいるように錯覚してしまいそうなほど、のんびりとしたひとときを過ごしていた。
9: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 07:29:09.69 ID:CvWj6cmz0
「それでは、そろそろ曲紹介といこうか。ボクもこの曲は好きだよ。レゾンデートル――ボクの存在意義を求めて思考の海に沈んでしまい、自力では抜け出せなくなった時に聴くんだ。不思議とそんなものちっぽけな事に感じてしまうよ。」
ホコリが少しかぶったそれを引っ張り出してきて、電源がつくか半信半疑ながらに電源ボタンを押した。すると、ザザッ、ザザッというノイズの後に、よく耳馴染みのある声がラジオから聞こえてきた。そういえば飛鳥ちゃん、ラジオのパーソナリティーの仕事が来たって喜んでたっけ。
10: ◆m5V2DnGtwU[sage saga]
2017/11/09(木) 07:32:27.74 ID:CvWj6cmz0
一旦休憩。
この後もこんな調子でだらだら進めていきます。
一応完結はしてるので、今日中には最後まで投下しきれると思います。
11: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 13:38:35.67 ID:nq6xVQ2U0
「聴いて頂いたのは、相葉夕美で『lilac time』でした。休日の昼間にはピッタリの曲だったんじゃないかな?」
私は嬉しさと恥ずかしさ、懐かしさの混ざったような何とも言いがたい気持ちで自分の持ち歌を聞いていた。
12: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 13:42:27.76 ID:nq6xVQ2U0
その気になった夕美の行動は速い。いつもはにこにこふわふわだけど、何かの拍子に走り出すと止まらない――そう形容される彼女の性格だが、今回も例外なくそれを発揮していた。
「あぁ、彼女の“アレ”の事かい...?普段はとても頼れる優しいお姉さんみたいな感じなんだけど、暴走?はし?りだすと止まらなくてね...。聴いてくれるかい?今年の彼女のバースデーライブで、誕生花について語り出した時なんかは――」
13: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 13:49:37.83 ID:nq6xVQ2U0
あれこれと外出の準備をしていると、お腹が力なくきゅーっと情けない音を発した。それを聞いて、私はようやく自身の空腹を自覚した。考えてみれば朝から何も口にしていなかった。
いつもなら簡単に何か作るんだけど、今は何だかそんな気分じゃない。リコッタパンケーキ、である。少し前の哀愁じみた感情はどこへやら。
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