37: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:08:37.72 ID:4lJng8t70
力の差は歴然だった。
しかし、コトネは攻め切れていなかった。
勝負の流れはゴロウにあると認めた。
38: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:09:10.29 ID:4lJng8t70
厄介なのはヌオーだった。
トゲキッスの『でんじは』はヌオーには効かない。
バンギラスは相性が不利な上、砂嵐でのダメージもない。
オーダイルの水技は『ちょすい』の特性で吸収されてしまう。
39: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:09:42.11 ID:4lJng8t70
(「キミのヌオーはカントーにはいないポケモンでね。どうだい? 私のサンダースと交換しないかい?」)
ゴロウはあの申し出を断っていた。
40: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:10:09.68 ID:4lJng8t70
「あの兄ちゃん、詰んだね」
観戦していたコンタの後ろから声が聞こえた。知らない男だ。
コンタは反射的に腹を立てた。
41: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:10:40.00 ID:4lJng8t70
ゴロウはコトネを睨み、微笑んだ。
ボールを投げた。
コトネはゴロウを睨み、微笑んだ。
ボールを投げた。
42: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:11:16.55 ID:4lJng8t70
誰がどう見ても結果は明白だった。
「ラッタが勝てるわけがない」
観客席からまばらに人が立ち上がり始めた。興奮からではない。結果の見えた試合に興味を無くしたからだ。
43: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:11:48.17 ID:4lJng8t70
2人は互いの顔を見据えていた。
周囲の雑音が聞こえなくなっていた。
時間が止まったように感じていた。
44: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:12:14.66 ID:4lJng8t70
ゴロウにはオーダイルが突っ込んできたのが見えた。
スローモーションのように一挙一動をとらえることができる。
彼はラッタの背中に声をかけた。
45: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:12:52.39 ID:4lJng8t70
エピローグ
ゴロウが教師を始めてから1年が経った。
彼は生徒とポケモンに毎日、向き合っている。
まだ慣れないが、充実した仕事だ。子供たちには「もう一回、チャンピオンと合わせて!」としばしばせがまれる。
46: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:13:22.25 ID:4lJng8t70
遠くから生徒が手を振りながら駆けてきた。
「おーい、先生! そのコラッタ捕まえておいて!」
「僕の手持ちにしたいんだ!」
47: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:15:04.50 ID:4lJng8t70
以上です
お読みいただきありがとうございました
1年位前に書いて、メモに残っていたものです
題材はポケモンだけど、こんな真面目なSSも書いてたんだなぁ…(遠い目)
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