202: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/03/13(火) 21:41:46.15 ID:N0yNt449o
天空橋朋花と七尾百合子。二人は互いに同学年、同クラス、同倶楽部に所属する出来立ての友人同士であり、
予定の無い日の放課後は図書室において席を並べ、朋花に助けを求めてやって来る
"相談人"を待ちながらそれぞれ調べ物や読書をして過ごす活動パターンを基本としている十五歳。
203: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/03/13(火) 21:42:42.71 ID:N0yNt449o
「でもそうして育った木を使ってお爺さんが臼を作らなきゃ、さらにはそれを燃やさなくちゃお話が進みませんからね」
「それは、そうなのでしょうけれど……」
204: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/03/13(火) 21:43:45.27 ID:N0yNt449o
チラリ。百合子は桜の木の傍に佇む顔見知りの用務員に目をやった。
朋花もいつものように扇子を取り出しパタパタ顔を扇いでいる。
しばらくそのまま待っていると、急に生暖かい風が二人の足元を抜けていった。
205: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/03/13(火) 21:44:42.90 ID:N0yNt449o
……とはいえ、自らの手で花を咲かせる行為自体はなんと心躍り楽しいことか!
気づけば百合子はニコニコと夢中で灰を振り撒いていた。
206: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/03/13(火) 21:45:43.35 ID:N0yNt449o
今、老人は晴れやかな面持ちで桜の木の下に立っている。
まるでこの植物の美しさに心奪われてしまったように枝と花とを見上げている。
そんな彼の視線が自分の方へと向けられて、百合子は思わず身震いした――ああそうだ。
207: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/03/13(火) 21:49:12.35 ID:N0yNt449o
===
一コマおしまい。自分は諸星大二郎さんの「栞と紙魚子」シリーズが好きでして、
今回のはそんなイメージでいつか書きたいなと思ってた話の一つです。
208:名無しNIPPER[sage]
2018/03/14(水) 13:09:50.76 ID:DKhLsDXuO
いい雰囲気だった
厄介な幽霊だけど百合子は絶対楽しんでいただろうし朋花もかなりノリノリだったろうな
乙
209: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/03/18(日) 05:55:03.51 ID:kkq5ItiRo
<略>
百合子、百合子、落ち着いて。プロデューサーさんが来たら自然な感じでいつも通り。
ああ、でも、少しは恥ずかしいから視線はちょっと下に伏せて。
210: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/03/18(日) 05:57:28.67 ID:kkq5ItiRo
一コマおしまい。でも正直、ハグ発言より画面右上にある顔アイコンの方が(笑いの)衝撃は上だった
211:名無しNIPPER[sage]
2018/03/20(火) 13:18:58.15 ID:pk/DfWYoO
百合子はそういう若気の至り多そう
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