2:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/14(木) 20:25:14.77 ID:dfAozWXTO
「……ん、じゅ……ぅ……」
溜め込んで。味を、匂いを感じて心を満たしていたそれ。プロデューサーは含んだままで口を閉じて、そうして舌に絡めて味わい、吐息を注いで泡立てて口の中すべてを塗っていたそれ。それを吸い上げる。吸い上げて、そのまま飲み込み身体の中へと迎え入れる。
3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/14(木) 20:25:56.21 ID:dfAozWXTO
(……プロデューサー)
生ぬるい、喉に絡む粘ついたそれ。かすかに苦いような、ほのかにしょっぱいようなそれを舌の腹で一度舐めあげるようにしてから飲み込む。
4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/14(木) 20:26:39.80 ID:dfAozWXTO
「ん……」
視線の向きを変えるだけじゃ足りない。見たかったものに届かない。上を向いて見えた肌色では満足できなくて、体勢を変える。
5:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/14(木) 20:27:21.12 ID:dfAozWXTO
「……」
「……」
「……楓さん」
6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/14(木) 20:28:01.74 ID:dfAozWXTO
「そろそろ、ほら」
お風呂とか、ご飯とか。そんなふうに言って、私に放すよう促してくる。
7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/14(木) 20:28:39.82 ID:dfAozWXTO
「イヤイヤしない。……ほーら、まずは放して。こっち来ましょう?」
頭を撫でていた手が離れ、それが今度は枕を叩く。私の頭の下にあるのとは別、私を見つめるプロデューサーの顔の少し手前、いつも私を優しく抱いてくれるプロデューサーの腕を。
8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/14(木) 20:29:42.79 ID:dfAozWXTO
「お、っと……え、……って……楓さん……?」
「ちゅー……ぅ……」
「ん……そんな、いきなり強く……」
9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/14(木) 20:30:29.79 ID:dfAozWXTO
「……ん、ふふ」
じゅぽん、と最後に大きな音を立てて。その後に一度だけ、先端へキスを降らせて。そうして離れる。
10:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/14(木) 20:31:20.21 ID:dfAozWXTO
「……とーちゃく」
「ん、いらっしゃい」
「はい、いらっしゃいました」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/14(木) 20:32:01.64 ID:dfAozWXTO
抱きしめられる力が強くなる。ぎゅっと、ぎゅうっと。
唇と唇が重なる。ちゅ、ちゅ、と啄むように。じゅぽじゅぽ、と舌を差し入れあいながら。
それまで感じていた幸せとはまた別の幸せ。同じ人から贈ってもらえる、心の奥の底まで染み入ってくるような本当の幸せ。それが感じられる。
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