高垣楓「だらだら。ただ貴方と重なって」
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7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/14(木) 20:28:39.82 ID:dfAozWXTO
「イヤイヤしない。……ほーら、まずは放して。こっち来ましょう?」


 頭を撫でていた手が離れ、それが今度は枕を叩く。私の頭の下にあるのとは別、私を見つめるプロデューサーの顔の少し手前、いつも私を優しく抱いてくれるプロデューサーの腕を。

 腕枕。それをプロデューサーが示してくる。魅力的な、手に取りたい提案。


「うじゅー……」


 でもこのままこうしてもいたい。

 確かに疲れてもいる。舌の付け根も顎も、唇も。ずっと……確か、日が出始めた頃から。もうその頃から意識はそこまではっきりしていなくて、だから正確にではないけれど……でも確かそのくらい前から、今この昼前までずっとこうし続けているから。

 だけどそれでもこうしているのは幸せで。べつにこうしていても特に気持ちいいわけではないのだけど、でもやめられない。上手く説明はできないけれど、それでもなんとなく好き。なんとなく、けれど確かに好きでやめられない。そんな感覚。……そしてだから悩む。

 こうしていたい。でもプロデューサーの腕枕へも向かいたい。そこへ行けばきっと他の幸せも待っているはず。抱きしめてもらえる。キスしてもらえる。まっすぐに見つめ合いながら、たくさんの『好き』や『愛してる』をもらえる。きっともらえる。

 だから悩む。どちらを選ぶか。ぼんやりと惚けた頭でもんもんと。


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