女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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159:名無しNIPPER[saga]
2017/09/12(火) 18:49:08.68 ID:bdvuTYni0
「祐樹……くん?」


160:名無しNIPPER[sage]
2017/09/13(水) 14:04:52.99 ID:hna7WImUo
おお…


161:名無しNIPPER[saga]
2017/09/15(金) 00:44:23.78 ID:jX7ap57O0




「会いた……かった」
以下略 AAS



162:名無しNIPPER[saga]
2017/09/15(金) 00:44:59.67 ID:jX7ap57O0

「敬くんはね、いたずらっ子だけど、お父さんとお母さんを大切にしてた。茜ちゃんはね、好きな男の子がいるみたいで、将来の夢はお嫁さんなんだって」

 政府の嘘かもしれないじゃないか、と思う。でも……理屈めいたその思考が告げている。そんなことをする意味はない。あるがままの真実を見せたのだと。
 該当する知識がある。いつのまにか理解していた、魂と犠牲のメカニズム。魔素に適合したから得た、感覚。正しく犠牲になれる人はこの都市で……彼女しかいない。そしてもうひとつ、気付いたことがあった。それは……。
以下略 AAS



163:名無しNIPPER[saga]
2017/09/15(金) 00:45:42.04 ID:jX7ap57O0
 彼女は絶句していた。弟が死んだという事実に、衝撃を受けていた。

「……今更、戻れない。卓也が死んだんだ。僕もここまでくるのに犠牲にしたものがあった、なのに、それら全部を無視して、きみはここに残るの?」

 もう止められなかった。
以下略 AAS



164:名無しNIPPER[saga]
2017/09/15(金) 00:46:30.43 ID:jX7ap57O0
 ◇


 ――勢いよく扉が開かれる音。

以下略 AAS



165:名無しNIPPER[saga]
2017/09/15(金) 00:46:57.06 ID:jX7ap57O0

「そんなことしても無駄です。わざわざ命を捨てるような真似はやめてください」
「無駄? 本当に?」

 彼女は静かに言う。
以下略 AAS



166:名無しNIPPER[saga]
2017/09/15(金) 00:49:32.90 ID:jX7ap57O0
メイドが僕に反論する。

「なにを言っているのです? あなたにそんな価値はありません。雪様ほど犠牲の資質があるわけではないのなら、あなたの言い分は通りませんよ。身の程を知りなさい」
「関係ない。王よ、どうせ犠牲をはかるなにかを持ってきているんでしょう?」

以下略 AAS



167:名無しNIPPER[saga]
2017/09/15(金) 00:50:04.47 ID:jX7ap57O0

 ――わかっていたんだ。彼女を見た瞬間に、犠牲になれる人間はひとりじゃないって。むしろ、僕こそが、犠牲に最も適した人間になったんだと、魂がそうなったのだと、理解した。

 現実味がない。選択はあっという間で、死ぬという感覚がうすい。
 馬鹿なことをしている、と思う。でも、この選択は、きっと、他人からしてみれば愚かなものだったとしても――僕にとっては最善だ。
以下略 AAS



168:名無しNIPPER[saga]
2017/09/15(金) 00:50:34.11 ID:jX7ap57O0



 その装置には人を一人、収容するスペースがあった。

以下略 AAS



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