女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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127:名無しNIPPER[saga]
2017/09/09(土) 23:07:32.49 ID:43vqk7Yd0

「え……?」

 卓也は呆然としていた。何が起きているのかわからない、といった感じで。
 一番の顔から血の気が引く。人は本当に怒ると顔は紅潮よりも白くなる。本格的に暴力を働く時は、血管を収縮させ、致命的な傷をうけても出血が減るようにと体が準備をするからだ。
以下略 AAS



128:名無しNIPPER[saga]
2017/09/09(土) 23:08:23.78 ID:43vqk7Yd0

「大丈夫か?」と隊長が言う。

 震えながら一番は頷いた。
 隊長が周囲を見渡す。
以下略 AAS



129:名無しNIPPER[saga]
2017/09/09(土) 23:08:52.21 ID:43vqk7Yd0
結局、卓也も加えて六人で行動することになった。だからといって状況が好転したとはいえない。
 通常、こういったサバイバルのような状況で気になるのは食料だが、僕たちが心配するのは魔素による人体の影響だ。防護服である程度は防げるものの、その日にちはあまり長いとはいえない。
 あれから、半日たった。僕らは切れたワイヤーを眺め、呆然としていた。道しるべが、切れていた。

「……終わったな」と隊長は言う。もう片方の切れたワイヤーを探すため、周囲の捜索をすでに開始していた。だが成果はない。この激しい風のせいだ。あまり重量のない特別製のワイヤーははるか遠くに飛ばされたのだろう。どこに行ったのか見当がつかない。皆疲れ切った顔をしていた。このままでは生きては帰れない、そんな状況のせいで。
以下略 AAS



130:名無しNIPPER
2017/09/09(土) 23:09:19.49 ID:43vqk7Yd0
 三番が手を挙げる。

「いいえ違います。それはあくまで僅かな可能性の上昇のためにそこまでするのは合理的ではありません。実際、適当に考えて十パーセントほどの成功確率の上昇が見込めるならそうするぺきでしょう。しかし、そうではないのなら、生き延びる人数の期待値が目に見えて高い後者の方法をとるべきです」
 まったく反対の、しかし状況をうまく分析した意見がでた。どちらを選ぶべきか、その答えは明確だ。組織のために、ここにいる人たちは地表の探索に来た。命を捨てる覚悟はできている。

以下略 AAS



131:名無しNIPPER[saga]
2017/09/09(土) 23:09:45.02 ID:43vqk7Yd0
 ◇


 また一人、脱落者が現れた。一番だ。彼はなにも言わない。まるで三番をおいていったのを悔いているかのように。

以下略 AAS



132:名無しNIPPER[saga]
2017/09/09(土) 23:10:17.16 ID:43vqk7Yd0

 ◇

 次に膝をついたのは隊長だった。
 肩で担ごうとする二番を隊長自身が止める。
以下略 AAS



133:名無しNIPPER[saga]
2017/09/09(土) 23:20:05.01 ID:43vqk7Yd0
>>122
助かります


134:名無しNIPPER[saga]
2017/09/10(日) 21:41:24.26 ID:02n9Gv6p0
 ◇


「仮説を立ててみた」

以下略 AAS



135:名無しNIPPER[saga]
2017/09/10(日) 21:41:59.81 ID:02n9Gv6p0

「五百二だ」

 その数値は、僕のものよりも、卓也のものよりも低かった。
 ……どうやら二番の予想は的中してそうだ。
以下略 AAS



136:名無しNIPPER[saga]
2017/09/10(日) 21:42:30.93 ID:02n9Gv6p0
 ◇



 二番の予想は外れた。先に体調に影響が出たのは卓也のほうだった。僕は彼に肩を貸してやり、なんとか前に進んでいった。
以下略 AAS



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