■■「島村卯月をはじめましょう」
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24:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:14:36.73 ID:55jPn/3I0
「アナタが言ったように、演者さんがアイドルを演じる方がいい――みんな、そう思っていたの」

 ゾクリ、と、背中に悪寒が走った気がします。
 もちろん、そんな感覚を抱くことなんて、私には絶対にないはずです。

以下略 AAS



25:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:15:25.24 ID:55jPn/3I0
「一人の演者が引退をした。当時の『アイドルマスターシンデレラガールズ』は、引退した演者の二代目を用意した」

「――それは、皆さんが受けいれてくれたんですか?」

 プロデューサーさんは、首を横に振ります。
以下略 AAS



26:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:16:55.16 ID:55jPn/3I0
 泣いているような、笑っているような、よく分からない顔をしていました。
 私が人間なら、それを上手く定義できていたかもしれません――

 ただ、分かるのは、プロデューサーさんは、何かを諦めていませんでした。
 それを知ったうえで、何かを信じている。
以下略 AAS



27:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:17:29.22 ID:55jPn/3I0
◇◇◇

 その日、『島村卯月』と彼女は言いました。

「私は、引退します。けれど、『島村卯月』はまだ、ここに居ます」
以下略 AAS



28:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:18:38.40 ID:55jPn/3I0
◇◇◇

 ――夢を見ました。

 美穂ちゃんの声が、急に変わりました。
以下略 AAS



29:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:19:24.51 ID:55jPn/3I0
 だけど、離れられなかった。

 私の中の、『島村卯月』が言っていた。

 終わりたくない。
以下略 AAS



30:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:20:07.49 ID:55jPn/3I0
◇◇◇

 日本時間で朝になったのを確認すると、すぐにプロデューサーさんに連絡をします。
 私のメッセージを受け取ったプロデューサーさんは、慌ててネットワークを閉じると、すぐに駆けつけてくれました。

以下略 AAS



31:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:21:31.24 ID:55jPn/3I0
「もちろん、演者を使ったアイドルは一度失敗している。だけど……あまりにも方法が不完全です」

 『島村卯月』として私を造らずに、一から教育したこと。
 そして、最後まで決断を私に委ねたこと。

以下略 AAS



32:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:22:29.25 ID:55jPn/3I0
「それはね――」

 そう告げると、プロデューサーさんは急にスーツのジャケットを脱ぎだします。

「ふえっ」
以下略 AAS



33:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:24:20.23 ID:55jPn/3I0
「私は、アイドルになりたかったんだよ――カワイイ、女の子になりたかったんだよ」

「えっと、それは……」

 聞き返すと、プロデューサーさんは、昔話をしてくれました。
以下略 AAS



34:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:25:13.25 ID:55jPn/3I0
「『島村卯月』が居なくなった時、泣いた。もう、彼女に会えないのかと、絶望した」

 だけど、プロデューサーさんは止まらなかった。

「諦めたつもりだったけれど、その夢は捨てきれなくて――だったら、自分の理想のアイドルを造りたいと願った」
以下略 AAS



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