25:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:15:25.24 ID:55jPn/3I0
「一人の演者が引退をした。当時の『アイドルマスターシンデレラガールズ』は、引退した演者の二代目を用意した」
「――それは、皆さんが受けいれてくれたんですか?」
プロデューサーさんは、首を横に振ります。
そう言う事なのだと、理解しました。
「昔に、演者の交代は一度あった。だけど、歴史と言える程に年月を重ねたコンテンツとアイドルでは、それは無理だったのよ」
「……はい」
「初代の演者にあまりにも寄せてしまったアイドルは、新しい演者と齟齬を起こし、その存在を歪みに変えてしまった」
演じるのが演者の仕事である、と言えばその通りです。
けれど、その演じるのがアイドルでなく、アイドルである人間であったとき。
たとえば、好きな食べ物。かつての演者が好きだったからと新たなる演者がそれを好きであるかなんて分からない。
趣味も、趣向も、まったく同じ人間なんて存在しないのだから。
「一人、また一人とそれは増えていって――気が付けば、誰も居なくなってしまった」
「――じゃあ、あのステージから見た光景や、みんなの笑顔は――」
「もう、ないんだよ」
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