33:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:24:20.23 ID:55jPn/3I0
「私は、アイドルになりたかったんだよ――カワイイ、女の子になりたかったんだよ」
「えっと、それは……」
聞き返すと、プロデューサーさんは、昔話をしてくれました。
「昔、アイドルが好きな男の子が居たんだ」
何十年も前、無垢な少年の憧れがあった。
「『島村卯月』のように、可愛いドレスに素敵な曲。愛の歌をステージで歌い、歓声を浴びる――そんなささやかな夢を抱いていた」
ささやかであるかは判断によると思いますが、真摯な言葉です。
「だけど、彼はアイドルになれなかった――いや、正確にはカワイイアイドルにはなれなかった、かな」
歳を重ねて、男性的になった身体では、女性の振りも出来なかった。
「せめて、応援だけでも――でも、それも出来なくなった」
『島村卯月』の消失。
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