2: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/06/22(木) 21:33:21.69 ID:Tu9HjCgo0
最初は、この人の担当のプロデューサーになった自分の不運を憎んだ。
3: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/06/22(木) 21:35:22.77 ID:Tu9HjCgo0
―・―・―
事務所での飲み会の後。住宅街のとあるアパートの駐車場へ、俺は自分の車を止める。
「ほら…家に着きましたよ、はぁとさん」
4: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/06/22(木) 21:36:16.50 ID:ys67cGWM0
「鍵、ちゃんとありますか?」
待ってろ、と言いながらはぁとさんは鞄の中をごそごそと漁る。が、どうやら見当たらないらしい。
5: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/06/22(木) 21:36:57.90 ID:Tu9HjCgo0
「んっ!」
「んんっ!?」
6: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/06/22(木) 21:37:43.51 ID:ys67cGWM0
―・―・―
いつものような事務所での飲み会の後。いつものようにはぁと他数人を助手席と後部座席に乗せてプロデューサーは車を発進させる。
7: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/06/22(木) 21:38:19.89 ID:Tu9HjCgo0
車に揺られる時間が長くなるほど、同乗者はどんどん減っていく。そして、いつものように最後は決まって一番家が遠いはぁとだけに。
こうしてプロデューサーといっしょにいられる時間が増えるのは嬉しい。家が都心から遠くてよかった。
8: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/06/22(木) 21:38:57.74 ID:ys67cGWM0
―・―・―
水のはねる音が、少し離れたこの部屋まで届いてくる。
9: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/06/22(木) 21:39:23.42 ID:ys67cGWM0
空き缶をベッドのそばにあった机の上に置き、また座りぼんやりとする。
いつから俺ははぁとさんに惹かれていたのだろう。
10: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/06/22(木) 21:40:10.33 ID:Tu9HjCgo0
本格的に惚れたのは、初ライブの後。楽屋にねぎらいの言葉をかけに行ったときに目に入った彼女の涙。
『な、泣いてねーし☆』
11: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/06/22(木) 21:40:34.67 ID:ys67cGWM0
―・―・―
シャワーを浴びながら、さっきのキスのことを思い出しては頭を抱える。恥ずかしすぎる。それに今、はぁとの家にプロデューサーがいるということが信じられない。
12: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/06/22(木) 21:40:57.14 ID:Tu9HjCgo0
「冷たかった…」
ようやくちょうどいい温度に戻ってきた。
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