5: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/06/22(木) 21:36:57.90 ID:Tu9HjCgo0
「んっ!」
「んんっ!?」
ほんの少しだけする酒の匂い。そしてそれよりも強いはぁとさん本人の香り。全身が、脳が揺れるようなとろけるような感覚。
「…ぷはっ」
少しだけ硬直した後、はぁとさんは唇を離す。
「な、な…!」
自分の身に何が分からなかった。それほどまでに衝撃的で、予想不可能なことだった。
「…はぁとじゃ」
未だに身は近づけたままのはぁとさんがさらに歩み寄り、もっと密着してくる。
「私じゃ…ダメ…?」
顔は朱に染まり、瞳は涙で少し濡れていて、そんな状態での上目遣い。
反則だ。好意を寄せている人にこんな事されて、断れない人間がいるのだろうか。
たまらず腕を背まで回し、強く体を抱き寄せた。バクバクと心臓が拍動しているのを聞かれているかもしれないほど、強く、強く。
「…本気で」
「…本気」
「………はい」
腕をとき、俺ははぁとさんの後に続いて部屋へと入っていった。
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