51: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:21:29.55 ID:nE0G2m1V0
この言葉にアタシは一瞬自分の方の非も綺麗サッパリ忘れて、完全にキレた。確かにアタシはPの鈍感な所も含めて好きになったし、結婚もした。けど今の言葉だけは、Pを心から愛する妻として許す事ができなかった。そしてドスの効いた声でゆっくりと、
「はぁ?なにそれ。知ったかぶりも大概にしてよ。バカじゃないの」
52: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:25:03.30 ID:nE0G2m1V0
『あ、うん、だよな。ごめ……はぁ!?えぇっ!!?うそっ、嘘だろ…!!?なぁ、今の』
アタシのそんな気持ちなんて全く知らなかったとばかりに驚くPに対しての怒りか、勢いで大音量での愛の告白をしてしまった事に対する照れのどっちのせいかは分からないけど、アタシは顔を真っ赤にしながら畳み掛けるように攻撃を続ける。
「なに驚いてんの!?ありえない、ほんっとサイテーだよ!!男として好きじゃないならPが帰ってきてすぐ玄関にすっ飛んでったりしないし、寒い中ニコニコしながら手を繋いで毎朝そこまで見送りに行ったりしない!何より結婚なんてする訳ないでしょ!!」
53: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:26:48.86 ID:nE0G2m1V0
『……………………』
沈黙の中、アタシの啜り泣く声だけが部屋に響いていた。押し黙るPは、今何を思ってるんだろう。知る為にはアタシの全てを知って貰うしかない。
そう頭で考える前に、口が勝手に動いていた。
54: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:30:20.18 ID:nE0G2m1V0
『……………恵美っ』
とても苦しそうな声。Pの辛そうな顔が目に浮かぶ。やっぱりアタシ、夫を困らせるダメな奥さんだ。さっき琴葉に言われたばっかなのに。
55: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:31:54.94 ID:nE0G2m1V0
「それから…ちゃんといっぱい喧嘩しようね。アタシも言うから、何でもいいから思った事は言って?もう今みたいなのはやだよ」
『…そうだな。俺もそう思うよ』
「うん」
56: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:32:57.85 ID:nE0G2m1V0
『…ごめん恵美、そろそろ』
「あ…うん!ゴメンゴメン、大分話し込んじゃったね。じゃ、また明日の朝かけるから」
『おぉっ、待ってるよ!…へへっ』
57: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:34:18.20 ID:nE0G2m1V0
「メグミっ!」
「きゃっ…!?な、何?エレナ」
エレナはアタシの両手を両手で包み込み、アタシにとってはとても信じられない事を明るく言い放った。
58: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:37:00.36 ID:nE0G2m1V0
「他にもヘアサロンに行ってイメチェンして惚れ直して貰おうとか、帰って来たその日のご飯はプロデューサーの大好物を作ってあげようとか、プロデューサーの向こうでのお土産話聞くの楽しみだなーとか、その後ラブラブしたいなーとか!楽しみな『未来』は、他にもイーッパイだヨ!」
アタシの両肩にぽんと両手を置いたエレナの顔は、普段のぱあっとした弾ける笑顔ではなく、
59: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:39:13.57 ID:nE0G2m1V0
あぁ、この子達は。
なんて素敵な子達なんだろう。
60: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:40:05.81 ID:nE0G2m1V0
今日はここまで。
それでは、おやすみなさい。
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